午後十時の映画祭・「ウェールズの山」 | B級おもしろ映画館

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午後十時の映画祭

 

「ウェールズの山」   1995年   99分

 

  監督・脚本・クリストファー・マンガー

  出演・ヒュー・グラント

 

京都在住の知人が、データ魔と言えるほどに映画に関する

色んなデータを集めている。

その彼が、数年前にイギリス映画に関してのデータを

送ってくれたことがあった。

私も昔の映画の事なら多少は分かるが

1990年代以降の事は、全く分からないお手上げ状態だった。

そんな中の一本が「ウェールズの山」だった。

廉価版のDVDを購入して見てみたが、その面白さに驚いた。

この所、長編映画ばかり見ているので、短い映画が見たくなって

昨日久し振りに見直して見た。

イヤー本当に面白い!大傑作ではないがとにかく楽しい映画です。

 

1917年のある日曜。

ウェールズのとある小村を二人のイングランド人が訪れた。

ジョージ・ガラード(イアン・マックニース)と

レジナルド・アンソン(ヒュー・グラント)、

彼らはその地の“山”フュノン・ガルウの測量にやって来た技師だった。二人は“好色”モーガン(コーム・ミーニー)の宿屋に泊まるが、

測量の噂はたちまち村中に伝わり、

フュノン・ガルウの高さをめぐって話題はもちきり、

賭けまで開帳される始末。

フュノン・ガルウこそは、歴年、侵略者から村を守ってきた、

村人の誇りなのだ。

だが測量の結果、フュノン・ガルウは標高299メートル、

“丘”に過ぎないことが分かり、村は騒然となった。

“山”と認められるには、305メートルの標高が必要なのだ。

集会所で、事態を話し合う村人たち。

モーガン、そして彼と犬猿の仲のジョーンズ牧師(ケネス・グリフィス)の提案に、一同の見解は決した。

一致団結“丘”を“山”にするのだ。

翌朝、大作戦が始まった。

まず、技師たちの車をわざとエンコさせ、足どめに成功。

一方、老若男女、子供たちまで総出で、

フュノン・ガルウの土盛りが始まった。

鉄道までも操作して、足どめする村人たちに、お手上げとなるガラードとアンソン・・・・・・・・・。さあ、どうなる?  (KINEMAより抜粋)

 

山と丘の差、僅か6メートル!

この差をどうするか?村中の大の大人も入り混じって大激論。

その答えが、6メートル分、盛りましょうという事になる。

大真面目に、ど真剣の討論が多いに楽しい!

何でこんな事をと思ってしまうが、当人たちは至極真面目です。

ちなみにこのお話、嘘偽りのない正真正銘の実話だそうです。

地図に山として記載される事がそんなに重要なのかと

思ってしまうが、村人にとってこの山は歴史上重要な事でもあった。

ユーモアたっぷりに描かれる大騒動の顚末。

サスペンス映画ではないが、最後までハラハラさせられる面白さ!

あと少しと云う時に大雨になって、盛土が崩れはじめる。

さあ大変となるクライマックスは、ハッピーエンドのラストまで

大いに盛り上がる。たっぷりのユーモアとペーソス溢れる

豊かな情景描写と相まって、気持の良い爽やかな気分に

させてくれる。こんなに楽しいエンディングはそうはない。

 

イギリス映画といえば「第三の男」に代表されるサスペンス映画を

すぐに思い出すが、こう云った小気味の良い映画も多くある。

村人総出で何かするとかの作品が結構ある。

1990年代以降にも、そんな作品がありそうなので

ボチボチと見ていこうと思っている。

こんな映画を見ていると、もう何回も見ている「ふたりだけの窓」を

また見たくなって来た。こちらは文句なしの大傑作です。

 

上記は、ほぼ一年前に書いたブログ記事です。

「もう一度見たい映画」という事で、どんな映画があるのか考えていた。

映画史に残る傑作も良いが、私が本当に好きな映画を見れば良いのではないかと思い、一番目に「絶壁の彼方に」を選んだ。

二作目は、同じくイギリス映画にしてみた。

1995年に製作された作品で、古くはありません。

ユーモアたっぷりに描かれるのどかな物語に

コロナも暑さも忘れてしまいます。

もう一度と言わずに、何度でも見たい作品です。

今日は、アメリカ資本で作られている、イギリスが舞台になっている

作品を見るつもり。「ウェイクアップ!ネッド」です。

これも楽しく愉快な作品です。

 

今日も35度を軽く超えて、多治見の夏、真っ盛りです。

何処かへ出かける気力も体力もなく、ひたすら寝ていました。

今、午後8時30分。ようやく風が入る様になり

少しは涼しさを感じられます。