「秘密殺人計画書」J・ヒューストン監督の真面目なサスペンス映画 | B級おもしろ映画館

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「秘密殺人計画書」    1963年   98分

  監督・ジョン・ヒューストン、音楽・ジェリー・ゴールドスミス

  出演・カーク・ダグラス、ジョージ・C・スコット、トニー・カーティス

      バート・ランカスター、ロバート・ミッチャム、フランク・シナトラ

 

日本のタイトルから、この頃大流行していたスパイ映画を連想するが

全く違って、莫大な財産を狙ったサスペンス・スリラー。

それともう一つ誤解されそうなのが、5名の有名スター達が

凝りに凝った変装で、チョット見には誰とも判別がつかない登場の仕方

である事から、コメディと思われる所がある。

変装のシーンは、カーク・ダグラスさん以外は完全なお遊びであるが

本筋は凄く真面目に作られたサスペンス映画です。

カーク・ダグラスさんのプロダクションの製作なので

彼自信が張り切って馬に乗ったり、変装も凝り凝った形で登場する。

映画の性質上、ストーリーを詳しく書けないが

何度か出てくるキツネ狩りのシーンが、面白い。

キツネ狩りなんて詳しく映画に出てくる事はあまりないが

この映画を見れば、その実態が良く分かる。

映画の中にも出てくるが、残虐な遊びは止めようとする

キツネ狩りに反対するデモのような物が出てくる。

当時ですら反対の意見があるほど、

今の眼で見ると確かに残虐な遊びである事は事実でしょう。

この映画で描かれるキツネ狩りも、考えれば相当野蛮な行為です。

但し、映画だけの事を考えれば、

馬で追っかけるそのスピード感は素晴らしい疾走感で迫力がある。

ミステリーとして非常に丁寧に作られているので

映画全体として非常に面白く、モノクロの映像も緊迫感を増している。

当たり外れのあるJ・ヒューストン監督だが、これは当たりの方です。

変装が良く分からなくても、最後の最後で当人たちが

変装を自分ではがして「俺だよ!」みたいな顔をするので

全員分かります。骨格などで大部分は分かりますが・・・・・・。

お遊びの部分もありますが、カーク・ダグラス、ジョージ・C・スコットと

一癖ある人達の真面目な演技も楽しかった。

こう云う作品大好きです。

これ今月のTSUTAYA発掘良品の一本です。

DVDは、復刻シネマ・ライブラリーから発売されていましたが

ようやく発掘良品に登場しました。

出来るならJ・ヒューストン監督の「自由の大地」も出ないかな?