「ミンクの手ざわり」と「カラミティ・ジェーン」を楽しく見た。
「カラミティ・ジェーン」は、
デビー・レイノルズが「ママは二挺拳銃」
アン・バクスターが「彼女は二挺拳銃」、
ベティ・ハットンが「アニーよ銃をとれ」で、女性が主役の西部劇コメディが、ヒットを連発していた。「私も何かそういうのをやりたい」と思った
ドリス・デイさんが映画会社をたきつけて作ったのが
ミュージカル・ウエスタン・コメディ。
オープニングの駅馬車の上に立って歌う「デッドウッド行きの駅馬車」が、最初の見せ場で、これは中々面白い。
悲しいかな監督のディヴィッド・バトラーが、コメディ・センスもなければ
ミュージカルのテンポも悪い。ドリス・デイさんも頑張ってはいるが
東映時代劇の男装の美空ひばりさんのようで、男をバッタバッタと
やっつけるには非常に無理があった。
もう一本の「ミンクの手ざわり」
こちらは安心して笑って楽しめます。
監督のデルバート・マンも好調なら
主役にはコメディの天才ケーリー・グラントを相手役の持ってきて
ドリス・デイさんも絶好調。
脇役のギグ・ヤング、オードリー・メドウズもセンス抜群!
笑いっぱなしの105分でした。
ドリス・デイ
本名はDoris von Kappelhoff。音楽教師を父に持ち、早くから音楽教育を受けたのとダンスが好きだったのとでダンサーになるつもりだっが、自動車事故で大腿骨を骨折、あきらめて歌手を志した。
シンシナティのハイスクール在学中の16歳の頃からボブ・クロズビー、レス・ブラウンなどの楽団の歌手としてナイトクラブやラジオで売りし、甘くハスキーな声で歌った『センチメンタル・ジャーニー』が大ヒット。
トップ・クラスの歌手となった48年、
「洋上のロマンス」(T)で映画デビューした。
アメリカ人好みの親しみやすい容貌と、
ソバカスだらけの顔に浮かべるチャーミングな笑いは魅力満点。
ミュージカル・コメディ「二人でお茶を」、
音楽映画「情熱の狂想曲」に出演した翌51年には
早くもマネー・メイキング・スター・トップ10に9位で顔を出し、
52年には7位に上がった。
デビューから50年代なかばまでは、
もっぱらミュージカル・スターとして人気を得たが、
55年の「情欲の悪魔」(この作品もミュージカルではあったが)からは
演技派女優としても立派に立てることを示し、
ことに軽快なコメディ・センスを買われての、
その後ロック・ハドソン共演の一連のロマンティック・コメディで
精彩を放ち、59年の「夜を楽しく」でアカデミー主演女優賞にノミネト。同時に人気は急上昇、59年から66年までマネー・メイキング・スター・トップ10の常連となった。
しかも60、62、63、64年はいずれもトップとなり黄金時代を築いた。
人気も実力も凄い人でした。
2019年に97歳で亡くなりました。
多くのコメディ作品がDVD化されています。
元祖ラブ・コメの女王だった人だと思います。