「戦場にかける橋」 1957年 162分
監督・脚本・デビッド・リーン、製作・サム・スピーゲル
出演・ウイリアム・ホールデン、アレック・ギネス、早川雪洲
ジャック・ホーキンス、ジェームズ・ドナルド
早川雪洲さんの本を読んだら、映画も見たくなった。
見るのは久し振りのような気がする。
あの独特のタイトルから、ラストのジェームズ・ドナルドのセリフ迄
162分間、名作に恥じない完璧な作品です。
タイとビルマの国境近くの日本軍捕虜収容所。
所長の早川雪洲は、ここの捕虜を使って、国境のクワイ川に
鉄道用の橋を架けようとする。ウイリアム・ホールデンら捕虜たちは
サボタージュに熱心で、まともに作業まともにをしようとしない。
そんな時、アレック・ギネスに指揮された英軍捕虜がやって来る。
ジュネーブ条約を盾に、将校は作業しないと云うA・ギネスと
早川雪洲の戦いが始まる。
米軍捕虜のW・ホールデンはそんな時に、脱走に成功する。
連合軍の作戦上、この橋が邪魔になり地理に詳しいW・ホールデンが
橋爆破の命を受け、この知に戻ってくる。
日・英・米の軍人の対立を中心にドラマは意外な結末を迎える。
結果として敵の為に橋を架けようとするA・ギネス。
捕虜の役目でもある脱走など考えもしないで
騎士道精神を発揮するこの男に、サムライ魂と同じ様な心を
感じて全てをまかせようとする早川雪洲。
男泣きする雪洲の肩の震えに、同じ日本人として胸に沁みた。
完成した橋を見て愕然とするW・ホールデン。
何が敵で、何のために爆破するのか?分からなくなる。
戦いは全ての人間を死に追いやり、橋さえも爆破してしまう。
戦争の狂気をこれほどまでに鮮烈に描いたデビッド・リーン監督。
名監督の一人である事は間違いないでしょう。
色んな関係者が過酷なロケだったと言っている。
その一人、ウイリアム・ホールデンはこの映画のギャラを一括ではなく
利益配分にしたそうです。何十年の後に彼は「この映画の利益配分のお陰で、以後の生活費はこの映画だけで全て賄えた」と語っている。
彼自身がこの映画における総収入が幾らであったかは
ハッキリとは知らなかった。この話は後に共演した丹波哲郎さんが
本人から聞いたそうです。
この映画以後のD・リーン監督は
「アラビアのロレンス」 1962年 アラビアの砂漠
「ドクトル・ジバゴ」 1965年 ロシアの大地
「ライアンの娘」 1970年 アイルランドの緑
「インドへの道」 1984年 インドの神秘
70ミリ大作の中に、それぞれの国の異文化を興味深く描いている。
大雨の被害が拡がっている。
こちらも雨が降ったり止んだり。
被害が出る様な大雨ではないが、何年か前にはこの多治見も
水没した事があった。私がこちらに越して来て30年近く経つが
二回、川の氾濫で同じところが水に浸かっている。
決して他人事の話ではない。
明日もまだ大雨の予報が出ている。
決して油断しないで下さい。自然は恐ろしいです。