映画の中の名セリフで思い出すのは
故・和田誠さんの「お楽しみはこれからだ」です。
良くまあそこまで覚えていると感心する位
映画の中の名セリフが出てきます。
シリーズとなり7冊も出版されています。
物事を覚える事がなりより苦手な私ですが
映画の事となると不思議と覚えています。
あの映画は、どこの映画館で見て、入場料は幾らだったとか
その日は、映画館を出ると雨だったとか
その日見た予告編のこと迄思い出す事がある。
妻は、「そんな事を思い出すより
何年か前に行った美味しいお店の名前と場所を
ハッキリと想いだして下さい」とボヤいている。
以外にもセリフはよほど気に入った言葉しか覚えていない。
「カサブランカ」などの超有名なセリフの数々は
しっかりと記憶しているが、DVDを見ていて「あ!そうだった」と
想いだす事が良くある。
「酒や女に溺れる奴もいる。
だが男に必要なのは、煙草とコーヒーだけさ」
これはニコラス・レイ監督 「大砂塵」の中での
スターリング・ヘイドンのセリフです。
一時期、仲間と麻雀をする時に皆でよく使いました。
「今の俺に必要なのはイーピンだけさ」なんて
積もると同時に言っていました。
「大砂塵」という作品は、主題歌以外は大したことはないと思っていますが、このセリフだけは頭から離れません。
ハード・ボイルドのアクション映画の中のセリフのようですが
西部劇の中の名セリフです。
如何にご時世とは言え、映画の中で煙草のシーンが
殆どないのが残念でならない。
「鳥」のティッピ・ヘドレンがジャングル・ジムの前で、
煙草を喫う名シーン。あのゾクゾクする感覚は煙草があってこその
物だと思う。煙草に関しては幾らでも名シーンがあります。
ローレン・バコールの登場シーンも煙草が重要な小道具でした。
映画の中の名シーンと、名セリフは煙草が関係しているものが
結構あります。
先日、このセリフを聴きたいだけでDVDで見てしまいました。
私にとっては何度見てもこのセリフ以外は、記憶に残らないという
不思議な映画です。
日本映画にも忘れられないセリフがあります。
赤木圭一郎・主演の「霧笛が俺を呼んでいる」のラスト・シーン。
「これからどうするんだ」と聞かれた、赤木圭一郎の最後のセリフ
「霧笛にでも聞いてみるんだな、何だか霧笛が俺を呼んでいるような
気がするぜ」メチャクチャキザなセリフですが
あの時代、赤木圭一郎が言うと何ともカッコ良かったんです。
この映画の脚本はあの熊井啓さん。あの真面目な映画の監督が
日活の脚本を書いていた頃は、こんなセリフを平気で書いていたんです。まあ、あの頃の日活映画はこんなセリフのオン・パレードでした。
世間に認知されていない名セリフを、見つけるのも楽しいものです。