スペイン・リーグが約3か月ぶりに再会された。
猛烈な過密スケジュールが待っているみたいだが
このためにWOWOWに加入している私には
待ちどうし過ぎる3か月だった。
特別なルールの導入(交代選手など)などもあるが
バルサとレアルに絞られた優勝争いや
下位チームの戦いにも目が離せない。
当然、暫くは無観客のようだが、テレビのライブ中継などは
バーチャル技術を駆使して見る者を何とか楽しく見てもらおうとの
涙ぐましい努力が見える。
どの様な結果が待っているかは分からないが
世界最高峰のサッカーを楽しみたいと思っている。
朝から激しい雨が降り続いている。
何を見ようかと迷いに迷い、黒澤作品に落ち着いた。
「蜘蛛巣城」(1957年1月公開)と
「どん底」(1957年10月公開)を選んだ。
両作品とも私が小学生の時の映画、二本とも封切りでは見ていない。
高校に行くようになって、神戸で初めて見た。
この二本、シェークスピアとゴーリキーの戯曲が原作。
黒澤作品の中でも好きな作品の二本です。
黒澤作品には、モノクロ作品23本の中に
似たようというか、同じ傾向の二本セットのような作品が幾つかある。
「姿三四郎」と「続・姿三四郎」は当然だが
「用心棒」と「椿三十郎」
「酔いどれ天使」と「野良犬」
「わが青春に悔いなし」と「素晴らしき日曜日」
「悪い奴ほど良く眠る」と「天国と地獄」
「白痴」と「羅生門」・・・・・・・。
「赤ひげ」は「七人の侍」か?
当然「蜘蛛巣城」は「どん底」でしょう。
この二本、世界の黒澤がありとあらゆる映画テクニックを駆使して
技巧の極致と言ってしまえるほどの作品に仕上げている。
何年か後にフィルム編集を学びだしていた頃
この二本の映画が教材になっていて
一コマ一コマを丁寧に見た事を思い出す。
セリフを含めて音を全て消して見た事もあった。
この二本、映像だけで音無しでも鑑賞に堪える凄さがあった。
今回はそんな事を考えることもなく
純粋に作品そのもを楽しんで見た。
「蜘蛛巣城」のラストの三船さん。
矢が突き刺さるシーンで死ぬかと思ったと言っている。
そらあれは怒りますよ。酒の勢いを借りて、夜中に黒澤さんの家の前で、「黒澤のバカヤロー」と怒鳴ったそうですが、ごもっともな話です。
技術も凄いが、その技術を生かし切って
作品を映画芸術の極みにまで高めた、黒澤さんは本当に凄い!
苦く重い作品でしたが、充実した4時間でした。