「砂漠の鬼将軍」 1951年 88分 モノクロ・スタンダード
監督・ヘンリー・ハサウェイ
出演・ジェームズ・メイスン、ジェシカ・タンディ
連合国軍の一隊が、ドイツ軍司令部宿舎を急襲する。
目的は砂漠の狐と恐れられたロンメルの殺害。
この襲撃はドイツ軍の反撃にあい失敗に終わる。
ここまでのシーンはタイトル前に描かれる。
川本三郎氏によると、世界映画史上初めての事らしい。
映画はデスモンド・ヤング准将の手記を元に
猛将ロンメルの謎の死を解き明かしている。
最初にロンメルの死に疑問を持った原作者が終戦後に
ロンメルの未亡人や息子など、ロンメルに関わった人たちに
聞いて回るシーンから始まり、一種のドキュメンタリー映画の
雰囲気さえ感じられる。常軌を逸したかのようなヒットラーに対して
反逆を企てる人たちが現われ、否応なしにその中に巻き込まれる
ロンメルの苦悩が描かれる。
ヒットラー暗殺に失敗して、反逆者として断罪される代わりに
残された家族がキチンと生きられるよう配慮される事と引き換えに
薬を飲んでの自殺を選ばされる。
映画はそこで終わるが、北アフリカ戦線の激闘、ノルマンディ上陸の
模様が当時のニュース・フィルムで描かれる。
映画の中では、最初の連合国による急襲シーン以外は
戦闘シーンは殆どがニュース映像。
これが巧みな編集で結構迫力があり、見せ場の一つになっている。
妻や子に対するロンメルの豊かな愛情、部下に対する思いなど
多少美化された部分もあるが、優れた軍人の死の謎の追求を
セミ・ドキュメンタリー・タッチで描き切ったH・ハサウェイ監督。
彼の代表作の一つになった。
サム・ペキンパー監督の映画を、製作順に見ている。
全14作の日本公開作の内、4作目の「ワイルド・バンチ」まで見た。
次が「砂漠の流れ者」と続く。
あまりのエネルギーに圧倒されて、息抜き代わりに「砂漠の鬼将軍」を
見てみた。DVDの安売りで100円で売られていた。
100円でも、多分誰も買わないだろう。
ジェームズ・メイスンとジェシカ・タンディと言う名優が気の毒になる。
古い映画だが映像も悪くなく、気持良く楽しむ事が出来た。
あと10作、一人だけのペキンパー祭り、盛り上がっています。
妻が応募していた、絵筆のセットが当選した。
この人、宝くじのような大きな賞品には縁がないが
全国で3名だけの有名スターのサイン入りTシャツとか
有馬記念で万馬券とか、何だかんだと当たっている。
今回の絵筆のセットも10名だけの当選に当たった。
私と違い、多少の幸運の星は持っているみたいです。
妻曰くには、私は運がないのではなく、全く努力しないからだそうです。