「抵抗」まるでドキュメンタリー映画 | B級おもしろ映画館

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「抵抗」   1956年   100分

  監督・脚本・ロベール・ブレッソン

  出演・フランソワ・ルテリエ

 

リバイバル公開が何度もあった映画で

リバイバルのつど劇場に見に行っていた。

1943年、ドイツ占領下のリヨンでドイツ軍に捕まった

レジスタンスの一員である、フランソワ・ルテリエが

脱獄不可能と言われていた刑務所から脱獄するまでを描いている。

安全ピンを手に入れて手錠を外したり

くすねてきたスプーンを根気よく研いてナイフ替わりに使ったり

その手製のナイフで羽目板をこじ開ける。

あげくには衣類をほぐして縄に編んでしまい、ロープの替りに使う。

これらが極端なクローズ・アップで、細密画のように描写される。

モノクロの画面とあいまって、ドキュメンタリー映画を見る様な気分。

冷徹な目で描かれているが、見ている方は魔法にかかったように

主人公と一体化してしまう。クライマックスの建物の屋根まで

逃げ延びた時には、ハラハラ、ドキドキ感は頂点に・・・・・・。

有名な映画なので書いていいと思うが

ラストは脱獄に成功した主人公が町を歩いている。

余分なセリフや、音楽はすべて排除されている。

100分間、ロベール・ブレッソンのマジックに酔わされてしまった。

この監督、1943年の「罪の天使たち」に始まり

1983年の「ラルジャン」まで、監督作品は13本。

その全ての脚本は自分で書いている。

その作品は、独自の映画美学に貫かれ

感情や叙情性を排したスタイルを重視し、

最後まで変えることはなかった。

13本の監督作品、どれを見ても傑作です。

商業映画的な面白さはないかも知れないが

間違いなくこれも映画です。

 

暑すぎて、おまけに世間はお盆休みの真っ最中。

何処にも出かけたくなかったが、冷蔵庫の中は飲み物だけになった。

食品が殆どない状態。仕方なしに出かける用意。

混んでいるであろう多治見の市街地は避けて逆の方向へ買い出しに。

大型のショッピング・センターで、ついでにランチ。

食品などを買い込んで早々に帰宅。

エアコンの効いた部屋で猫たちと昼寝。

これもまた至福の時間なのかなあ~~~~。