1981年に67歳で亡くなった中村登・監督。
松竹映画一筋に、メロ・ドラマ「愛染かつら」
コメディ「つむじ風」「集金旅行」
推理ドラマ「波の塔」と何でも撮っていた。
その作風は真面目その物で、何処にも何の波状もなく
端正に折り目正しい作品ばかりだった。
他にも「暖春」1965年、「惜春」1967年
超大作「紀ノ川」1966年と、松竹のエース格となり
正月、お盆などの特別興行などは、必ず起用されていた。
私の注目する1963年には4本の監督作がある。
「古都」 岩下志麻・主演 1月13日公開
「つむじ風」 渥美清・主演 3月24日公開
「結婚式・結婚式」 オールスター映画 7月13日公開
「鏡の中の裸像」 松山善三・原作・脚本 10月5日公開
正月、お盆とキチンと作品がある。
中でも「古都」は、見事な作品で彼のベストだと思う。
京都という古い町並みを、完璧にフィルムに焼き付けた映像は
今、京都が失ってしまった物を知る上で、本当に貴重な作品です。
名手・成島東一郎さんのオープニングの京都の町並みの
俯瞰撮影は永久保存したいくらい素晴らしい。
ドラマとしての完成度も高く、原作の持つ品位を失うことなく
岩下志麻さんも二役を見事に演じ分けている。
何度見ても岩下志麻さんの美しさと、京都の古い佇まいの美しさに
溜息が出るばかりです。
「つむじ風」は寅さん以前の渥美清さんを知る上で貴重な作品。
「結婚式・結婚式」は、お盆を狙ったオールスター映画。コメディです。
以上の三本は、テレビ録画を含めてDVDで見る事が出来る。
私も繰り返しDVDで見ている。
「鏡の中の裸像」は、劇場でもテレビでも一度も見た事がない。
松山善三さんの原作・脚本。
出演が桑野みゆき、倍賞千恵子、池部良、川津祐介、という豪華版。
内容も分からないし、どんな映画なのか見当もつかない。
スカパーの衛星劇場で放映されているかもしれないが
それも良く分からない。一度本気で調べて見ようと思っている。
売れっ子だった中村登・監督。
3か月に一本の割合で作品を発表し続けていた。
1966年、大作「紀ノ川」で、じっくりと腰を据えて
シリアスなドラマを撮ることになる。
ここでもロケーション撮影の素晴らしさを発揮して
日本映画史にその名を刻む、名作を誕生させた。
「古都」と「智恵子抄」で、
二度もアカデミー外国語賞にノミネートされた事は
意外に知られていない。
失敗作の殆どない、安心して見る事の出来る監督の一人です。
朝から激しく雨が降り続いている。
猛烈な暑さの次が、大雨。これ異常気象でしょう。
「つむじ風」と集金旅行」をノンビリと見て過ごした。
洋画のバカバカしいコメディが見たくなっている。
「黄金の七人」でも見ようかと思っている。
この雨、明日は止むのかなあ~~~あ。