「合言葉は勇気」 1962年 116分 (日本公開・1963年)
製作・監督・脚本・アンドリュー・L・ストーン
出演・ダーク・ボガード
日本公開は1963年・7月8日、配給はMGM
「大脱走」の公開は、1963年・8月3日、配給はユナイト。
何故、公開日にまでこだわったかと言うと
この二作品、大量脱走方法があまりにも酷似している。
準備から始まり、穴の掘り方、掘った土の捨て方
測量の失敗でトンネルが森迄到達していない等、全く同じ。
ついでに言うと、原作者は全く違う人。
二人とも捕虜経験のある元・軍人。
同じ収容所にいたのかと思う位、体験したことが似すぎている。
こちらの主人公であるダーク・ボガード。英軍准尉という立場の捕虜。
この男、まあ隙あらば何でも利用して脱走する。
ドイツ兵になりすまして、病院に運ばれ何と勲章まで貰ってしまう。
見つかって捕まり、列車で運ばれる時も
すれ違う列車が爆弾輸送車である事知るや
なんと爆発させてしまったりと、やる事が少々とぼけているが
やりたい放題の大活躍。
最後は消防自動車を頂いて、ドイツ軍に道を譲らせて見事逃走!
何度も何度も脱走し、その都度捕まり、また逃げる。
お堅い筈のダーク・ボガードが、
この映画では嬉々として、おとぼけぶりを発揮して
コメディ・タッチの映画を盛り上げている。
モノクロで、スタッフ・キャストも有名どころは誰もいないが
ヒッチコックも驚くような、サスペンスもタップリで
B級収容所脱走映画と言うには惜しい程の面白さがある。
この映画、残念ながらDVDは発売されていない。
私もちゃんとしたDVDなどはなく、昔々にテレビ録画した物しかない。
画像は最悪の状態だが、あまりの面白さに捨てずに置いてある。
ビデオ・テープをDVDに焼いてはあるが、画像は酷いものです。
「謎の要人悠々逃亡」等と同じく、これも本当に面白い!
NHKや映画専門チャンネルは、もう少し頑張って欲しい。
こんな面白く楽しい映画、見逃す手はないと思う。
ちゃんと宣伝すれば、映画ファンは見逃さないと思うんですが・・・・。
1963年、私には忘れられない一年だった。
この年の夏の終わりに、生まれて初めての失恋を味わい
この年の冬の始めに、幾つもの偶然が重なり
映画界への道が開けた。
沢山の映画を見たのもこの年からだった。
人生のターニング・ポイントでもあった年でした。
今、この年になって、それが良かったのかと言われたら
答えに困るのも事実だが、好きな事を好きなようにやれた事だけは
まぎれもない事実。映画に関しては全て失敗ばかりだったが
今、こうして大好きな映画を、好きなだけ見る事の出来る生活は
私にとって最高の老後のような気がする。
1963年~~面白い映画がまだまだあります。
あのコッポラ監督のデビュー作「グラマー西部を荒らす」もこの年です。