年次総会で新世界訳の英語版の改定が発表されました。
そしてPDFがダウンロードできるようになりました。
(注意:60メガバイト近くあります)
リンク先修正
http://www.jw.org/en/publications/bible/
改定された内容の一部を紹介します。
ちなみに今回の改定の理由の一つは表現の変更です。
年次総会では「21世紀の英語」だと述べていました。
前のバージョンは何世紀の英語を使っていたのか・・・
21世紀に合わせて変更された点
(旧)列王第一 21:21 今やわたしはあなたに災いをもたらす。わたしは必ずあなたの後を完全に一掃し,だれでも壁に向かって放尿する者,イスラエルの中の無力で無用な者をアハブから断ち滅ぼす。
「壁に向かって放尿する者」(旧)


「男」(新)
ここの「壁に向かって放尿する者」は「男」と訳されるようになりました。
11文字も節約です。
いままでヘブライ語のシャサンは一律
「壁に向かって放尿する者」と訳されていました。
サムエル第一 25:22;25:34;列王第一 14:10;16:11;21:21;列王第二 9:8;
21世紀の英語では,それは「男性,男子,男」です。
21世紀に生きててよかった~

ちなみに他の日本語訳はこうです
新改訳「今、わたしはあなたにわざわいをもたらす。わたしはあなたの子孫を除き去り、アハブに属する小わっぱも奴隷も、自由の者も、イスラエルで絶ち滅ぼし」
新共同訳「見よ、わたしはあなたに災いをくだし、あなたの子孫を除き去る。イスラエルにおいてアハブに属する男子を、つながれている者も解き放たれている者もすべて絶ち滅ぼす。」
口語訳「わたしはあなたに災を下し、あなたを全く滅ぼし、アハブに属する男は、イスラエルにいてつながれた者も、自由な者もことごとく断ち」
で ここから真面目な話ですが
新世界訳聖書を翻訳したメンバーに誰がいたかということは分かっているのですが,その中で大きな役割を果たしたのはフレデリック・ウイリアム・フランズという人と言われています。
記事の訂正あり(下参照)
ヘブライ語のシャサンを見ると「小便する」という定義になっています。なのでシャサンの部分を「壁に向かって放尿する者」と訳すのは間違いではないわけです。
で
21世紀に「壁に向かって放尿する者」といったら誰でしょう?
それは「男」です。
ということで「男」と訳すようになりました。
めでたし。
でもなんで今更変更する必要があるのでしょうか?
本当は「壁に向かって放尿する者」を21世紀に使う言葉に純粋に変換するとしたら
それは
「クソ野郎」が正しいはずです。
なぜならもともとその言葉には侮辱的な表現が含まれているからです。
クソ野郎が無理なら新改訳の「小わっぱ」ぐらいで妥協するのが良心的かもしれないです。
その他の改定をあげると
ヨハネ17章3節
(旧)ヨハネ 17:3 彼らが,唯一まことの神であるあなたと,あなたがお遣わしになったイエス・キリストについての知識を取り入れること,これが永遠の命を意味しています。
(新)ヨハネ 17:3 彼らが,唯一まことの神であるあなたと,あなたが遣わされたイエス・キリストについて知るようになること,これが永遠の命を意味しています。
以前よりはずっと良くなりました!
20点が60点くらいに引きあがりました。
ちなみに他の翻訳の平均値を80点くらいとした場合の点数です。
まだ十分ではないですが20点よりは60点のほうがマシです。
他にも改定点はありますので,またそのうち紹介したいと思います。
[追記]
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2013.10.09 訂正
昨日,新世界訳の旧約部分が KJVや辞書の定義をそのままコピペした感じだと指摘し
その理由はヘブライ語の専門ではないフレデリック・フランズが訳したからではないかと書きました。
しかし以下のブログを見ると,違う点が指摘されていました。
http://blog.goo.ne.jp/john_the_baptist/e/878954b3f4e79f7cb6b05c1ee906d76a
このブログには新世界訳聖書の翻訳に携わったのはフレデリック・フランズではなくベテル外のエホバの証人の専門家であると書かれています。
公平のために上記の点を指摘しておきます。
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