■日本での一般の評価
日本で未公開なので評価は皆無です。
唯一以下のサイトに感想が掲載されています。
http://kmot.blog9.fc2.com/blog-entry-650.html
■海外での一般の評価
海外での評価は 10点中 7.1 。
http://www.imdb.com/title/tt1065318/
以下の映画予告編にも表れていますが、
映画会社は「ロマンス」ものとして売り出しています。
http://www.traileraddict.com/trailer/worlds-apart/trailer
ちなみに
デンマークではサラの母親役の女優が賞をとっています。
◆最優秀助演女優賞 ◎Sarah Boberg
http://umikarahajimaru.at.webry.info/200903/article_3.html
■実話について
以下映画データベースサイトのトリビアから
「最後の列車のシーンでサラに対して微笑みかけている女性が”本物のサラ”。彼女の名前はタビタ。監督は彼女の実話を2006年のデンマークの新聞で読んでこの映画の構成を思いついた」
「物語の中でフィクションとされている部分もあるが、ほとんどの部分はタビタの実話である。最後のタイトル部分でサラの将来が描かれていたが、それはタビタの人生を正確に描写したものだ」
■感想
エホバの証人の実情を良く知っている人にとって、この映画は複雑な思いが出てくるかと思います。
登場人物に対するわたしの感想を書きます。
◆エリザベス

いわゆる「模範的な」エホバの証人。中学生くらいか。彼女のバプテスマのシーンから始まる。サラもこのくらいでバプテスマを受けたのかと想像させる。この映画を見ると子供の頃に受けるバプテスマは慎重になるべきであることがわかる。
◆オーガスト

小学生くらいの弟。彼はエリザベスのような模範的なエホバの証人にはならないように思える。なぜなら姉のサラのように自分の心に素直であるから。
◆アンドレアス

優しいお父さんに見えるが、娘の心に向き合うことをせず、サラが「開拓者になる」と言った時だけは満面の笑みを浮かべて無条件の喜びを表すところが、本当の愛とは違う何かを感じさせる。娘が家族を崩壊させないためにとった行動も、最後は父親の手によって砕かれる。父は「娘が自分で選んだ選択のせいだ」と最後まで言い張る。
◆カレン(サラの母)

最初から最後まで重苦しい表情。これは彼女が家族のことで人知れず苦悩をしていたからだということがわかる。彼女の誤算は離婚のときにサラが下した結論が予想外だったこと。自分が家を去ることを受け入れたのは長男のジョナスのことを考えてかもしれない。
◆サラ

主人公。一番家族を愛していると思う人物。お祈りはいつも家族のこと。排斥された兄のことも祈りに含める。自分の心に正直な彼女は「子供もハルマゲドンで滅ぼされるのか?」という問いに困惑する。困惑すると髪の毛をいじる癖がある。最後のすっきりした表情と堂々とした態度が印象的。
◆タイス

「親だから話せない」サラとは対照的に「親だから何でも話せる」という環境で育ったタイス。なぜかサラと気が合う。
◆ジョナス

「よろしくない本」を読んで長老に対抗して破門される。どんな「よろしくない本」なのかは不明。ジョナスの破門が母親を目覚めさせるきっかけになったのかもしれない。
■疑問点
大会が終わった直後に二人が結ばれるのは流れとして強引ではないか?
サラは最後に信仰を否定することになるが、ジョナスや母の場合と同様、その流れが説明されていないのが残念。
エンドロールで流れている主題歌に字幕がなかったので、別動画としてアップしました。
■映画の主題歌:
Someday