更新再開します。
スピルバーグ作品一挙解説。
今回は2002年公開のマイノリティ・リポートです。
この作品はトム・クルーズ主演の硬派なSFです。
原作はブレードランナーの原作者でもあるフィリップ・K・ディック。
犯罪を事前に察知し、事前逮捕するシステムが成立している近未来のディストピアを描いています。
それは当然冤罪もありますよね。
音楽は硬派なシンフォニックスコアです。
ライトモチーフ的なものは3つ。
ショーンのテーマ、アガサのモチーフ、犯罪予知のモチーフ。
ショーンのテーマは9トラック目に入ってますね。
ショーンはトム・クルーズ演じる主人公、アンダートンの息子です。
過去に事件に巻き込まれ、行方不明になっています。
アガサのモチーフは独特な声色の女声独唱です。
2002年のNHK-FMで放送されたNHK-FMホリデースペシャル ジョン・ウィリアムズの世界で、
ジョン・ウィリアムズに多大な影響を受けている服部隆之の「TEAM」のメイン・タイトルが取り上げられていましたが、それに似ています。
まさか御大が日本のTVドラマの曲を耳にしていたとは思えないので偶然でしょうが。
しかしながらジョン・ウィリアムズの曲が逆に服部隆之に似ちゃうってのは面白いなぁと。
アガサは本作のキーマンで、超能力で犯罪を予知する女性です。
犯罪予知のモチーフはスピーディーなパッセージです。
それ以外は場面場面に音楽が付けられています。
となるとあんまり解説する事は無いです。
というわけですので、解説というより曲目感想を始めます。
曲目感想
曲は時系列順に並んでいないです。
そして、国内版サントラの曲目が和訳すらされていないです。
カタカナにしただけ。
だったらもう英語のままでいいよ。
和訳しようともちょっと思ったけど英語力がミジンコなので、
英語のままでいきますね。
1.Minority Report
いきなりですがエンド・クレジットの後半部分です。
典型的な御大のサントラ盤の構成としては、
1曲目に当該映画のテーマ曲のコンサートバージョン。
最終曲にテーマ曲のリプライズとしてエンドクレジットを収録。
という感じがありますが、これはコンサートバージョンを省いてリプライズを頭に持ってきた形です。
まぁ、要するに2曲同じのが収録されている感じではありましたから、
こちらの方が話が早くはありますね。
この映画には象徴的な“テーマ曲”が不在というのが大きいですが。
さて、曲ですが、
まずはショーンのテーマから。
次に犯罪予知のモチーフ(3トラック)。
その次はスパイダーが放たれるシーン(5トラック)。
再びショーンのテーマ。
最後はエンディング(16トラック)の穏やかな曲。
という構成になっています。
2."Can You See?"
サスペンス調のスコアです。
やや前衛的な感じです。
途中ちょっとアクション入りますが、そこすらも前衛的です。
超能力的なものを扱っているシーンですから前衛的なのでしょう。
3.Pre-Crime To The Rescue
これもサスペンスですね。
犯罪予知のモチーフです。
近未来のスタイリッシュな犯罪防止劇を描いています。
スタイリッシュな感じがする曲です。
4.Sean And Lara
ショーンのテーマです。
穏やかで抒情的な曲。
平和だった頃を思い出しています。
5.Spyders
蜘蛛型の偵察ロボットを大量に放つシーンです。
耳に残りやすいパッセージです。
タイトル曲にも用いられています。
なかなかダブルタンギングの鍛錬になりそうな曲ですね。
バックの不協和音も耳に残ります。
6.The Greenhouse Effect
シンセサイザーが用いられた前衛曲。
静かでつかみどころが無い感じです。
後半はスター・ウォーズ・エピソード2の陰謀のシーンみたいな雰囲気です。
この映画も陰謀を描いていますからね。
最後にアガサのモチーフ。
はっきりした定型はありませんが、独特な女声独唱がアガサに宛がわれています。
7.Eye-Dentiscan
目玉が坂を転がっていくコミカルなシーン。
スーパーマンのレックス・ルーサーのテーマっぽいコミカルさです。
中盤にアガサのモチーフ+犯罪予知のモチーフ。
8.Everybody Runs!
走れ!
序盤は駆け足程度ですが、後半は疾走感が出てきます。
イーサン・ハントほどの全力疾走では無さそうな感じですね。
えぇ、どんなシーンだったかよく思い出せないで書いてますよ?
最後にアガサのモチーフが入ってます。
9.Sean's Theme
ショーンのテーマです。
ピアノでより抒情的になってます。
10.Anderton's Great Escape
アクション・スコアです。
本作の「THE ジョン・ウィリアムズ」枠。
どう聴いても、どこを切り取っても、明らかなるジョン・ウィリアムズ感。
というよりスター・ウォーズ感。
最後は文字通り大脱走して、ジャクーから脱出するレイ&フィンの如く去っていきます。
11.Dr.Eddie And Miss Van Eych
なんかものすごく現代音楽っぽい感じ。
御大の生きる現代は文字通り現代ですからね。
御大は本来はこういうの書きたい人なんですよね。
ちょっとだけダゴバの雰囲気がします。
12.Visions Of Anne Lively
スピーディーな弦のパッセージに導かれてシンセサイザーが顔を出します。
後半は犯罪予知のモチーフ+アガサのモチーフ。
13.Leo Crow...The Confrontation
静かな対決です。
サスペンスです。
物語の核心に迫っていきます。
ショーンのテーマが幽玄に奏されていきます。
後半は一気に緊張感が高まっていきますが、アンダートンが思い留まって急に静かになります。
14."Sean"By Agatha
静かに陰謀を解きほぐす様な曲です。
ほぐれるとショーンのテーマが現れました。
終始穏やかな曲です。
15.Psychic Truth And Finale
前衛から開始。
アガサのモチーフを挟んで、陰謀の元を問い詰めていきます。
力強いです。
クライマックスに向かって突き進む感じがします。
最後にコードが明確に解決していて、事件解決を判りやすく表現しています。
16.A New Beginning
エンディングです。
穏やかな世界がやってきました。
なんとも穏やかで晴れやかな曲です。
霧が晴れた感じがします。
本作の名曲枠。
タイトル曲のラスト部分です。
以上です。
次回はキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンです。


