(日本時間7:30pm)
先ほど立ち寄ったナロックでは、まだ距離があるせいか、これといって火災の情報を得ることができませんでした。僕らは焦る気持ちを抑えて、日本事務局やワーデンのフランシス(コイヤキレメックワイルドライフトラスト)と到着後の段取りを確認しながら先を急ぎました。
もうすぐだな…と、遠くに目をやった瞬間、焼け焦げた煙の臭いがツーンと鼻の奥を刺激し、ほぼ同時に遥か彼方にモクモクと湧き上がる煙が見え始めたのです。一瞬にして背筋が凍りつきました。やはり来るのが遅かったかと…。眼窩には、すっかり生気を失った黒い世界が広がり始め、しばらく走るとやっとオフィスの屋根が見えてきました。
しかし、なんと驚いたことに、黒こげの世界はオフィスの手前で途切れていたのです。
運良くオフィスの前で風向きが変わり、コイヤキスタッフとディクソンが消火活動をしてくれた結果、火の手をオフィスの目前で止めることができたようなのです。
車から降り、いざ焼け焦げた大地を見回すと、火の手は事務所からほんの10メートルのところまで迫ってきていたことがわかりました。僕らは、オフィス周辺は完全に鎮火したことを確認した上で、早速フランシスの案内で、未だに燃え続けている地域の消火活動に向かいました。JWCオフィスから2キロくらい離れているところで、今一番ひどく燃えている地域です。
そこでは、マサイ族の地元住民40人程が、サバンナ(背の低い草木)に燃え広がる炎を木の枝でたたき、一生懸命消火活動をしていました。四方八方に広まってしまった火の手は、近くのロッジやキャンプサイトのスタッフが協力し合いながら、それぞれの地域で消火活動を行っているという情報も得ました。JWCオフィスから一番近いこの地域は、特に今現在風向きが悪く、火の手がどんどん広がっているという状況を聞き、早速JWCスタッフも消火活動に加わりました。
ということで、しばらくバタバタしていて報告を入れるのが遅くなってしまったのですが、今日は火の手が落ち着くまで皆で消火活動に取り組む予定なので、また、新たな情報が入り次第報告したいと思います!
しかし…本当に煙がひどく、目を開けられないほどですが、がんばります!!
ちなみに僕が見た感じでは、今回の火災で既に約25キロ四方くらいが燃えつくされていると思います。また詳しくわかりましたらこれも追って報告します。
JWCケニアスタッフ
金子