「Blueさん、最近変わりましたね。」そう言ったのは、現地人所長(アラサー男子)。「お客さん(大抵は日本人)の接待がてら一緒に食事に行きましょうって誘ってもBlueさんはいつも断ってたのに」
確かに、以前は「乾杯」を断るのが面倒だったから、気を遣う仕事関係の会食には参加しなかった。でも、そんな煩わしさが吹っ飛んだ今は別。
我が社の現地人所長は(本業のソフト開発に関する知識と熱意は人並み以下だが)彼が副業として行なっている医療コンサルに関する知識と経験は半端ない。抜群のビジネスセンスと広い人脈を駆使してどんな難題も解決するとの口コミで、見ず知らずの人からもサポート依頼が舞い込んでくる。
彼は長年、日本のある医療法人で理事長秘書を務めていたから日本語もペラペラ。それでも日本語ネイティブではない。だからおしゃべりな社交的なわたしが一緒だと助かるらしい。
昨夜は、関東地方で病院を経営するコワモテさんたちと夕食を共にした。名刺交換の際も、ニコリともせず。「ヤバいな・・」と思ったが、理由を聞いてみると”関西のおばちゃん”と遭遇するのは初めてで少し緊張していたのだそう。場が和んでからは、いろいろな人生経験を語ってくれた。
JWをやっていた時には、いつ、どんなふうに証言しようかとばかり考えていたが、自然消滅した今、純粋に会話そのものを楽しめるようになった。
同時に(JWではない)自分自身の価値について認識できるようにもなった。この国に移り住んでもうすぐ10年。それなりに知識や経験を積み重ね、言語もかなり習得した。
コンサルとしては現地人所長の足元にも及ばないが、それでも興味深い現地情報を提供するぐらいのことならわたしにもできる。昨夜もそんなたわいもないおしゃべりの中から、ビジネスチャンスが生まれた。
帰りの車の中で、現地人所長に言われた。「Blueさんは話し上手だから、コンサルの仕事に向いてると思いますよ」もちろん半分はお世辞だと思う。でも、IT企業でBPM(業務プロセス管理担当)の真似事をしているよりは、わたしに合っているかもしれない。
いずれにせよ、「我(わ)が生(よ)は、まことに楽しきものなり。」アラカン世代を目前に、新たな自分の可能性を切り拓いていきたいと感じた。