腕時計の分解掃除とは?メンテナンスはされていますか? | ジュエリー&ウォッチ グラール Blog

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今回は分解掃除(オーバーホール)

機械式、クォーツ式問わず時計にとっては必要不可欠な定期メンテナンスです。
今回は分解掃除がなぜ必要なのかを説明させて頂きます。


まず、この様な事はありませんか?
・朝、時報に合わせた時計の時刻が午後見たら大幅にずれていた。
・毎日着用しているのに、外すと翌朝には止まっている事が時々あった。
・ガラスの内側が曇ったことがあった。
・リューズをねじ込む際にリューズを回せる量が少なくなってきた。
・時計をぶつけてしまった!

等など、今まで出なかった症状。

 

そういう時は早めのメンテナンスが必要です。


◆ 分解掃除をしないとどうなるか
分解掃除とはその名の通り、分解して掃除です。
時計が動くために多くの部品によって作られています。
そしてその部品には時計用の油が差してあります。
いわば潤滑油、という事になります。
その油が経年などで乾燥、凝固し始めるのが概ね「4~5年」だと言われています。
そして製造日等により個体差もあります。



その影響でどうなるか?
油が無くなる事で無防備になり金属同士が直接擦れ部品が摩耗してしまったり
部品に大きなストレスがかかります。
その結果として「電池の終わりが早い」や「時刻が遅れる」「止まる」等の
思わぬ不具合に繋がります。

それを防ぐメンテナンスが【分解掃除(オーバーホール)】です。


◆ どのくらいの頻度でするのか
分解掃除の時期ですが一般的には
・機械式(手巻・自動巻)は「3~5年」
・クォーツ(電池で動く)は「5~6年」

と言われています。


もちろん上記期間を過ぎても問題なく動いていたりしますが、
内部では徐々に金属摩耗が進んでいます。
いざ止まってしまってから分解掃除に出した際に、
思っていた以上に部品交換などが入り、高くなってしまう事もあります。

最悪の場合、部品製造中止で修理不可、という場合も。


またソーラーや自動巻発電(キネテック等)は内部に発電した電気を貯める充電池があり、
この充電池の寿命が「約10年」と言われ、経過するごとに徐々に充電能力が落ちていきます。

当店では機械式に関しては、在庫期間が少し経過したものは
お客さまへ納品前にメーカーに送り、納品前点検を行っています。
その際に油の粘度検査や日差等のタイミング調整を致します。

ですのでご購入からの年数でお計りいただければ大丈夫です。


 

 



◆分解掃除の費用
これはとても大事なところです。
現在、ブランドによっては正規品と並行品とで価格を分けています。
代表的なのが、
ブライトリング、フランクミュラー等
当店の取扱いブランドだと、
ジン、ユンハンス、レイモンドウェイル
です。

分けているブランドの場合、同じ工程であっても並行品は正規品の修理費用に比べて、
概ね50%~250%アップとなります。
ですので並行品を安価で購入してもメンテ時に高額になる事になります。
継続してお使いになる場合、数回の分解掃除でトータルが逆転してしまいます。
その点をご理解の上でご購入をご検討ください。


費用の比較の例として「Sinn 556」で見ますと、
分解掃除基本料金
正規 29,700円 
並行 59,400円 となり2倍です。
※税込 2021.4現在

ぜひ早めのメンテナンスを!