さて、前回の続きを述べていくこととしましょう。
と、その前に、前回の記事について、ちょっと頭の整理をしたので、その件について。
というのは、3人のリーダーの立ち位置。
1番目と2番目のリーダーは、自らの立ち位置を主張する立場。特に1番目は、基本的な考え方の軸はほぼ動かないと言っていいでしょう。
それに対し、3番目のリーダーは、立ち位置が動かされていく、それも、他人の意思に感化され。
前者が意思を発する立場であるのに対し、後者は意思を受けた上で自らの意思を発する。
前者については、普段のアイドル活動と似通ったところがあるのに対し、後者はあまり経験をしないところではないかと。
ライブにおける歌やダンスは、自らの意思を発する場です。
まあ、厳密に言えば、自らの意思とは必ずしも言えない場合もあります。
楽曲を生み出した人の意思を自らが解釈して、その想いを発散する、と。
まあ、これすら出来ておらず、ただ歌って踊っているだけ、というような人もいるようですが、これは論外としましてσ(^_^;)
ですから、いわゆるアイドルとしての活動を行っている方は、比較的前者については、飲み込みやすいと考えます。
論外の方はともかく(-_-)
まあ、ぶっちゃけると、論外の方については、見る気が起きませんけどね。
自らの歌っている歌に込められた想いについて、考えることもしないような人であれば、どんなに技術を有していようと、そればただの発声であり、歌ではありません。
「歌詞の意味がわからない」というのであれば、調べて、そして考えていただきたい。
その結果、それでもわからないのであれば、そのことを自らの解釈として発すればいいのです。
と、またまた脱線しましたσ(^_^;)
話を戻しまして、とまあ、自らの意思を発するという点においては、比較的経験のある方が多いと考えます。
しかしながら、人の意思を受ける、「受け芝居」とでも申しましょうか。
これこそ、アイドルライブでは感じることのできない、芝居ならではの醍醐味の一つであると考えます。
3番目のリーダーの立ち位置がまさにこれです。
この立場の何が大変かというと、相手の演技を「受ける」ということ。
つまり、自分の意思だけでは成り立たず、相手の芝居により、受け方が変わってくるということになります。
今回のように、全員が揃うことが難しい中では、苦労もひとしおであったかと。
あ、だから、リーダー同士でのやり取りになっているのかσ(^_^;)
実は、この芝居、受け芝居がほとんどありません。
あるように見えますが、実態はそれぞれの独白です。
3番目のグループの各人が初心を思い出すところでさえ、それぞれの芝居でしたよね。
つまり、自分の順番さえ覚えておけば、他人の芝居を確認しておく必要がないわけです。
苦肉の策、とまでは申しませんが、出演者が集まることが非常に難しい状況ではやむを得なかったのかな、と考えます。
1番目と2番目のリーダー、QunQunの永尾さんと宮本さんについては、もう少し葛藤とか感情のぶつけ合いとかがあったほうが、野見山さんを含めた、3人の個性が生きたのかな、という気がするのですけどね。
前回も言いましたが、出来ていない、と言うつもりはまったくありません。
今回の演出上、そういう演技をする場がほとんどなかったので、判断のしようがないということです。
じゃあそういう風に演出してみた場合、どこまでの演技力を見せてくれるのか。
比較的稽古の時間をとることができるQunQunのメンバーのみで再演してみても面白いかもしれませんね。
調べたところ、「福岡オトメ歌劇団」も、同じ事務所のようですから、一考の余地はあるのではないかと……
はい、また脱線。
ちょっと整理をするだけのつもりが、またもや長くなってしまいました
さて、次の話に参りましょうか。
さて、リーダー以外にも、場の転換という観点で重要な役割を担っていた方がいますね。
愛理ちゃん(ITR)です。
彼女の芝居は、何度か見たことがありますが、かなり高度な技術をこなしてしまう実力の持ち主です。
ひとつ例を挙げておくと、身体の動きと全く別の感情を出す、という芝居を完璧にこなしていました。
これ、相当難しいんですよ(^^;;
竹中直人さんの、笑いながら怒る人、という芸がありますが、これを真似するのは非常に難しいこととつながる話です。
心と身体はつながっているものであり、感情によって身体は動かされるものです。
芝居をするときに、なかなかできない人は、台本を頭で覚えても、感情が身体に染み込んでいないから、セリフに感情が入っていないことはもちろん、身体の動きも不自然になり、まるで決められているかのような動きしかできなかったりします。
今回は、正直わかりにくかったですが、そういう方もいるのではないかと……
はい、閑話休題。
愛理ちゃんに話を戻しましょう。
今回はオーソドックスな感じでしたので、高度な技術は必要なかったですが、感情の発露による場の転換を見事に演じ切っていましたね。
今回、彼女は意思を発する立場でしたが、一方的に意思を発するのではなく、その場の殺伐な空気を引き金にして、意思を発しています。
つまり、その場の全員で形成された雰囲気を「受け」ているわけです。
また、中川どっぺるさんとの掛け合いも、見事にこなしていましたね。
変質者、といっていいのかどうかわかりませんが、あの場面は、芝居ならではの掛け合いが見られる場面でしたね。
3人のリーダー以外では数少ない、芝居のストーリーを引っ張る役割であり、その役割を務め上げていたと考えます。
今回はここまでとしましょう。
次回は、おっさんが比較的主現場としているグループのメンバーについて、述べていきたいと思います。
では、また今度。