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ジュースのブログ

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とりあえず、あらすじ


 オーファル通りの乞食の子供に生まれたトム・キャンティは最低の祖母と父親、心優しい姉と母とともに、乞食として暮らしている。
 
 で、この乞食小僧は通りの教会のアンドリューって牧師から教育を受けて、本を読むのが大好き、なんとラテン語も少しできる。彼は書物から王宮の暮らしにあこがれ、乞食の子供たちと一緒に王様ごっこをして遊んでいた。王様大好き。

 トムと時を同じくして生まれたエドワード6世は心優しい王子として評判が高かった。で、その王子がなんかの拍子に人前に姿を現したのに宮殿の前にいた王様大好きトムは食いつく。

 王子!

 ところが当然乞食の子供は衛兵に見咎められ「うせろ小僧!」と殴りつけられる。で、それを見ていた慈悲深きエドワード6世は「貴様衛兵、かわいそうな子供に何してやがる。こんな子供は王の家来の中で一番かわいそうだからいたわらなあかんやろ」ってんでトムを保護、王宮につれて帰る。

 王様大好きトムは恐れ多くも王子の部屋に招き入れられ恐縮も恐縮いろいろ語るが、そのうちに王子はトムの話に興味を抱く。
  
 乞食の子供たちの奔放な生活を面白く想像した王子は「ああ、一度で良いからそのような生活をしてみたい」
 
 トムはトムで一度でいいからその豪華な召し物を着てみたい。

 そんなわけで、二人は服を取り替える。するとあら不思議、どちらがどちらかわからないほど二人はそっくりなのであった。

 王子はボロを着たまま面白くなって外に出るが、さっきトムを殴りつけた衛兵にトムだと勘違いされ「さっきはお前のせいで」と殴られ王宮の外に放り出される。
 
 王子は必死で「自分は王子だ」と主張するが、まあ、相手にされず、狂人あつかい。仕方なくトムの話にあったオーファル通りに帰るが、トムの父親ジョン・キャンティに殴られさらには狂人扱い。それをジョンの暴力から王子を救おうとしたアンドリュー牧師はジョンに樫の棍棒で殴られ、重態。ジョンはまずいと思ったのか家族を連れてオーファル通りを出て行くのであった。


 一方トムは自分は王子じゃない、乞食だと言い張るが、信じてもらえずこちらも基地外あつかい。父のヘンリー八世も心配するが、トムがラテン語をしゃべれるので、よもや乞食だとは信じない。
 
 トムは王子じゃないと言い張るが、そんなことを言ってはいやなうわさが立ち国民が心配しますどうかやめてくださいと、言われ仕方なく王子としての職務をこなすのであった。

 その職務の中でも、無実の罪でとらわれた人々に恩赦を与えたり、残虐な刑罰を廃止したり、慈悲深い王子と賞賛される。

 そのうちにヘンリー8世が崩御、トムは即位することになる。

 いっぽう本物の王子はジョンの手から逃れ、ロンドンブリッジをさまよっているところ悪漢どもに襲われ、没落貴族マイルス・ヘンドンに助けられる。
 
 ヘンドンは王子がかわいいので「よし、この子は基地外だが、この子を王子として扱ってやろう」と王子に仕える。

 このときヘンドンは命を救った褒美として王子から「これから先子孫代々王の前でいすに座る権利」を頂戴する。

 さて、その後王子はジョンに連れ戻され、悪漢から恥辱を受け、殴られ、怪僧には監禁されと散々。果てにはヘンリー8世崩御ともう踏んだりけったり。しかし、まあ新国王エドワード6世の戴冠式に沸く英国の空気にハッピーになりながらウェストミンスター寺院を目指す。

 トムはそのうちに王子としての職務にもなれ、もう二度と乞食には戻るまいと奢りを見せるが戴冠式のパレードで見たやさしい母親の姿にこころをいためる。

 そしていざ戴冠が行われようとしたその時、ぼろをまとった王子が現れ場は騒然。そしてトムまで「ここにおられるのが本物の応じである」などというからもう摂政、役人、大僧正、監督、みんな大混乱。
 
 そこで摂政は考えた。
 「本物の王子ならなくなった大璽のありかを知っているはず!」
 もちろん王子は知っている。
 「ああ、あれか、隠し扉のとこにある」

 そして走る役人、ところが大璽は見つからない。
 どよどよなる観衆。その時トムが思い出す。
 「大璽ってあれか。ああ、あれならほら王子、思い出してください、あんとき、ああしてああしたじゃないですか」

 「ああ、そうだった思い出したぞ。あれは甲冑の中じゃ」
 走る役人。「ありました」
 
 「トムはいったい大璽を何だと思ってたんだ?」
 「いや、何のことかわかりませんでした」
 「お前はじゃあ、あれをなんに使っていた?」
 「胡桃を割るのに使いました」
 
 会場内は大爆笑、これでもうトムを王子だと思うものもいなくなりました。

 さて、後日談。

 マイルス・ヘンドンには正式に伯爵の地位と御領が与えられ、トムには一度王位に付いたものとして国王尊属の地位が与えられる。

 
 もはや古典となっている話だから、単純な話、勧善懲悪、因果応報、まあ、わかってたから安心して読めるし、最後はすっとするんだけど、この話、ところどころ歴史書から引いてきているところからもわかるとおり結構歴史に忠実なのがいい。

 ヘンリー8世は国教会を作ったロリコンとして有名な王様。それで異教徒への弾圧がひどく、なかでも作中で書かかれている火あぶりのシーンはちょっと残酷。

 このころの刑罰というのは残酷で8ペンス以上盗んだら絞首刑とか、えぐいよね。

 それで王子が盗みの罪を着せられて、それを訴えたおかみさんがそれじゃかわいそうだって言うんで10シリングの豚を8ペンスといってうそをつくんだけど、その後巡査がじゃあ、その豚8ペンスで買うなんていってだましたのもまたこっけい。

 そのあと、結局巡査はさらにヘンドンにだまされて王子を逃がすことになるんだけどね。

 ちなみに実際のエドワード6世は先天性の梅毒だったらしく、9歳で即位するものの15歳でなくなったんだって。

 その辺のことも後日談で書かれていて、そうかそうかと妙に納得。
 16世紀イギリスの光と闇を見たって感じの読書でした。