写真は、過去作『やがて、、、(タトエバ切ラレタ髪ノ時間ト)』の冒頭シーンから。

前作『心臓法則』の一つ前の作品で2022年に上演したが、

その後も時折この作品について考える。何かがまだ続いている。

やわらかい動きや色彩を使ったが、実は根底に僕らの時代の根っこにある重いものが呼吸していた。

あえて色彩的な踊りをつくりながら、荒れ野を思っていた。不穏な空気について考えていた。

アドルノの例の言葉"Nach Auschwitz ein Gedicht zu schreiben, ist barbarisch"アウシュヴィッツ以後に詩を書くこと、、、)ではないが、決して安易に答えを出せない問題が、肉の底に絡まってある気がしてならなかった。いまも気になってならない、もう少しこのあたりのことは続くかもしれない。

踊りは、生きることを肯定し受け入れ続けてゆく覚悟や次世代に渡すことに関わっていると思うのだけど、同時に、このココという場所やイマという時間やコノ存在についての認識を(肉体との関わり合いを通じて)入れ換えてゆくことにも、連なっているのではないかと、いま思う。新しい稽古を始めている。次の構想に、少しづつ近づいて行きたい。

 

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Stage info. 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

ただいまHPでは7月末に行った新作公演の記録を公開しております。作品制作中に記されたテキストや過去の公演写真なども掲載しておりますので、ぜひ、ご覧ください。

 

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