「ありのままの自分も結構だが、ありえない自分に変身を試みることでこそ希求できる何かがあることも、忘れたくない。

人は何かに変わる。無心になり、色彩をまとい、リズムを身に受けるとき、何か別なるものが身体に降り注ぐのだ。」

これはコンゴのサプールについて書いた過去のブログ記事の一部。

彼らは貧しくてもお洒落のために時間とお金を使う。生活が苦しくても身姿を少しでも明るくして、壊れた街に出てゆく。ただただ、街に出て、歩いてゆくのだ。そして、ゆっくりゆっくりと夜の深まりと絡まり歩き身を揺らす。おそらく、決して戦わないために、だ。そう想像する。働きながらセンスを磨きぬいて自らが選んだ最高のファッションに身を包み、彼らは胸を張って歩き、不戦を誓う。

この人たちに、いまだに、なんだか得体の知れない共感を感じ続けている。彼らを思い浮かべるとき、ふつふつと内部から立ち上がる揺れがある。

最近また、彼らのことを知った時の気分を思い起こす。コロナの中で味わっている諸々ゆえか、あるいは、ダンスすることへの思いゆえか。

(2021日記より)

 

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Stage info. 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

ただいま前回ダンス公演(2021年7月)の記録をご紹介しております。次回公演情報は、いましばらくお待ちください。

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