たまに、この木を眺めたくなる。

この木のそばに行くと、気持ちが直る。

特別な思い出など無いのに、なつかしい人に会ったような心地がして、体が楽になる。

好き嫌いということとも少し異なる感情だ。

なぜかわからない。

僕が上手に言葉にできないだけで、本当はなにかとても小さなできごとが、この木とこの体のあいだに起こるのかもしれない。

特別な木のひとつだ。

過去作には樹木に対する感情がダンスになったものが多数ある。

なかでも特に直接的なものは2008年に上演した作品(※)で、それは、ある木が切り倒されたことが強い衝動になった。

このときも、木という存在と僕の体がどこかで関係しようとしているように感じた。

10年以上たってまだ、そのダンスにあった衝動は消えないまま生きてさまざまに変化しているように思う。

人と人のあいだに関係が起きるように、樹木と人間とのあいだにも関係が起きるのだろうか。
 
 
 
 

※ 関連記事(過去作記録2008)

 

 

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