春が近づいてくると、
こどものころ故郷の奈良で目にした春日の巫女舞を、思い出す。
明るい太陽の下で、踊る少女だ。
軽やかな鈴の音、白いキモノに紅のハカマ。
とても昔から伝わる特別な化粧はうっすらと幾何学の輪郭をお顔に描く。
彼女らは僕らヒトにではなく神様とやらに踊る。
子どもの頃はそれが不服だったが、いつしかそれが素敵と思うようになっている。
少女たちの踊る、とりわけその後ろ姿をおもいだし、
おもいみつめていると、
僕ら人間の世界と並行して、
とても広大でとても透明な「無」の世界が存在していることを、
感じないではいられない。

※(写真は春日大社の燈籠の一つ)




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