『白鳥』の制作過程で二つのうたを知って力を与えられた。

「あの時の 
 壊れたわたしを 
 抱きしめて
 あなたは泣いた 
 泣くより無くて」


「形見とて 
 何か残さん 
 春は花
 夏ほととぎす 
 秋はもみじ葉 」



上は河野裕子さんの、下は良寛の。

いづれも、
胸の底に音もなく小さな光が響いてくるみたいに感じた。

こわれてゆくものは結びに、
なくなってゆくものは産まれに、
遠く関係しているのでは、

などとと思えた。



___________________________________________________
櫻井郁也ダンスソロ新作公演