宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う」
というこの言葉が好きなまま、ながい時間がながれていて、これは、谷川俊太郎さんの言葉(『二十億光年の孤独』から)だけれど、リアルだと思う。
実際、宇宙というものがひずんでいるのかどうか知らないけれど、
もしも宇宙というものが綺麗に調和なんかしていると、僕はきっと今より窮屈なのではないかと根拠なく妄想してしまう。
宇宙というのは、そもそもということなのだろうから、あまりきちんとして調和などしていると言われるよりも、ひずんで、いると考えるほうが本当の感じがして、なんだか信頼できる。
さまざまなモノコトだって、人だって、でこぼこにひずんでいるから、ひとつも同じでない。
同じでないから、どこか分かり合うことができなくて、かなしくおもしろい。均質はこわい。
詩人が17歳から21歳のどこかの地点で書いたこの言葉に、
やはりその頃に初めて出会った僕は、いまだときどき寄り道をする。
そしてそのたびに、他人の言葉というものがあって良かったと思う。
自分の言葉を守るよりも他人の言葉に近寄っていきたいのは、
興味ばかりじゃなくて、なにかしら、さびしいということもあるかもしれないが、
さびしい、という言葉もまた素敵だと思う。
孤独がなくなると、たぶん僕らは冷たくなってしまう。
自分の言葉よりも、他人の言葉のいくつかを、できれば忘れずにいたいと思う。
上はそんな言葉の一つでもある。
いろんなことを僕は忘れる。
なにかを忘れるたび、忘れたくないものを確かめてしまう、
忘れたくないものごとについて思わずにいられなくなる。思いを深めることによって、忘却から遠ざかることはできるのだろうか。
書き留めたり表現したりする根っこには、
忘却や消失や喪失が静かに寝っ転がっているにちがいないと思う。
忘却と愛情には、どんな関係があるのだろうか。
____________________________________________
NEWS
櫻井郁也ダンスソロ新作公演:『白鳥』9/29.Sat.〜30. Sun. 2018
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それ故みんなはもとめ合う」
というこの言葉が好きなまま、ながい時間がながれていて、これは、谷川俊太郎さんの言葉(『二十億光年の孤独』から)だけれど、リアルだと思う。
実際、宇宙というものがひずんでいるのかどうか知らないけれど、
もしも宇宙というものが綺麗に調和なんかしていると、僕はきっと今より窮屈なのではないかと根拠なく妄想してしまう。
宇宙というのは、そもそもということなのだろうから、あまりきちんとして調和などしていると言われるよりも、ひずんで、いると考えるほうが本当の感じがして、なんだか信頼できる。
さまざまなモノコトだって、人だって、でこぼこにひずんでいるから、ひとつも同じでない。
同じでないから、どこか分かり合うことができなくて、かなしくおもしろい。均質はこわい。
詩人が17歳から21歳のどこかの地点で書いたこの言葉に、
やはりその頃に初めて出会った僕は、いまだときどき寄り道をする。
そしてそのたびに、他人の言葉というものがあって良かったと思う。
自分の言葉を守るよりも他人の言葉に近寄っていきたいのは、
興味ばかりじゃなくて、なにかしら、さびしいということもあるかもしれないが、
さびしい、という言葉もまた素敵だと思う。
孤独がなくなると、たぶん僕らは冷たくなってしまう。
自分の言葉よりも、他人の言葉のいくつかを、できれば忘れずにいたいと思う。
上はそんな言葉の一つでもある。
いろんなことを僕は忘れる。
なにかを忘れるたび、忘れたくないものを確かめてしまう、
忘れたくないものごとについて思わずにいられなくなる。思いを深めることによって、忘却から遠ざかることはできるのだろうか。
書き留めたり表現したりする根っこには、
忘却や消失や喪失が静かに寝っ転がっているにちがいないと思う。
忘却と愛情には、どんな関係があるのだろうか。
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