前回公演の踊りを俳句に詠んでくださった方がいられて、その掲載誌をいただき、唸った。
踊りの奥の遠いところに疼いていた痛覚に、言葉という呼吸が吹き込まれたように感じた。
言葉が切り開いてゆく世界の広さの中で、あるいは、はげしく切り詰められて文字に刻まれた言葉から、無音の音楽が響いているみたいだと思った。
未生の春、というひとことが、句のなかにあった。
未生、という単語は、実はとても好きな言葉の一つで、もとは一穂から知った。
ない、と、ある、の境い目にはいったいどんな力学が働いているのだろうか。
生まれ、という仕組みにはどのような、、、。
誰に問うともなくさまざまな質問がアタマのあちこちに散らばって、それらはまさに未生の何かのママまどろんでいるが、他言した覚えはないし題名や跋文に引いたこともかつてない。
それが、この人の眼差しに見つけられて一句のなかで、春、というよろこびに結ばれて命をもらっている。
とても嬉しい気持ちと一緒に、あらためて、言葉というものの魅力について思いはせる。
踊りを渇望し、迷い、ゆえに踊り、いや、動き蠢き流離っているのかもしれないが、もしその七転八倒が言葉や歌に結ばれるのならば、それ以上の幸せは、たぶん無い。
言葉なんて、と思うことさえあるが、言葉ほど人間らしいものが他にあるかしらとも思う。
表面的な言葉は人を蔑めるが、心からの言葉は人を支えてくれる。心ない言葉がはびこるなかで、心ある言葉を探すことは人を取り戻すことだと思う。
言葉は息吹のあらわれと思えば、踊りと言葉は根っこでは互いを生かし合うのかもしれない。
言葉、なる何か。その力に興味は尽きない。
聴こえぬ声に縋るようにして踊った踊りを、一句にすくいあげていただいた。
つぎの踊りに、力をいただいた。
ありがとうございます、ほんとうに、、、。
公演 Stage
レッスン lesson
踊りの奥の遠いところに疼いていた痛覚に、言葉という呼吸が吹き込まれたように感じた。
言葉が切り開いてゆく世界の広さの中で、あるいは、はげしく切り詰められて文字に刻まれた言葉から、無音の音楽が響いているみたいだと思った。
未生の春、というひとことが、句のなかにあった。
未生、という単語は、実はとても好きな言葉の一つで、もとは一穂から知った。
ない、と、ある、の境い目にはいったいどんな力学が働いているのだろうか。
生まれ、という仕組みにはどのような、、、。
誰に問うともなくさまざまな質問がアタマのあちこちに散らばって、それらはまさに未生の何かのママまどろんでいるが、他言した覚えはないし題名や跋文に引いたこともかつてない。
それが、この人の眼差しに見つけられて一句のなかで、春、というよろこびに結ばれて命をもらっている。
とても嬉しい気持ちと一緒に、あらためて、言葉というものの魅力について思いはせる。
踊りを渇望し、迷い、ゆえに踊り、いや、動き蠢き流離っているのかもしれないが、もしその七転八倒が言葉や歌に結ばれるのならば、それ以上の幸せは、たぶん無い。
言葉なんて、と思うことさえあるが、言葉ほど人間らしいものが他にあるかしらとも思う。
表面的な言葉は人を蔑めるが、心からの言葉は人を支えてくれる。心ない言葉がはびこるなかで、心ある言葉を探すことは人を取り戻すことだと思う。
言葉は息吹のあらわれと思えば、踊りと言葉は根っこでは互いを生かし合うのかもしれない。
言葉、なる何か。その力に興味は尽きない。
聴こえぬ声に縋るようにして踊った踊りを、一句にすくいあげていただいた。
つぎの踊りに、力をいただいた。
ありがとうございます、ほんとうに、、、。
公演 Stage
レッスン lesson