『ラブレス』〈Nelyubov〉は辛く凄い映画でした。
凍てつく映画とも言えるかもしれません。
喪失の映画とも、
探すことについての映画とも、、、。
観る人によっては過酷な映画かもしれないが、リアルな、これは素晴らしいと思いました。
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の作品は初めてでしたが、この人の作品をこれまで逃していたのは失敗でした。
エンドロールのあと、このままもう一
度と強く思ったが映画館のプログラムは1日一回になっていて駄目だった。残念でした。
この監督は年が近いというのもあるかないか、まあわからないが、非常に親近感がもてる瞬間がたくさんでした。
物語の場はロシアのある町だが、東京のことかと勘違いするほど違和感がなかったのです。
僕はダンスだから映画とは余りに異質かもしれないが、それでも人間は人間だから考えたり感じたりする根っこは、いま生きているこの世界この現在現実なのだから、表し方は違っても、吸ってきた空気や人間の匂いはどこか共通なのかなと感じ、震えました。
お父さんやお母さんが互いを苛立ち、心に穴が空いたまま地下鉄に乗ったり働いたりサンドイッチを食べたりセックスしたりする姿は痛い。そして、声をころして号泣するのは子どもで、
その姿はもっと痛い。
どこかに消えたい、そう思ったことがありましたが、あのときの気持ちが、暗く蘇りもしました。
棘だらけの会話。伏せた眼差し。ささやく声。そこに雪が降りしきって、あらゆる全てを冷却し白く白くしてゆくのです。
ときに眼を背け耳を閉じたくなるし、嗚咽したくなる瞬間も沢山あるが、それは私たち自身の姿で、それは私たちの棲む世界の風景でもあるのだから、やはり凝視してしまいます。
こういう表現を貫くこと自体が勇気ある行動だと思うし、絶望に正確に向き合ってゆく姿勢自体が素晴らしく感じました。
作者が観客に媚びないから、観客も自由に感じ考えることが出来る。知的だと思います。
(公開中です)
凍てつく映画とも言えるかもしれません。
喪失の映画とも、
探すことについての映画とも、、、。
観る人によっては過酷な映画かもしれないが、リアルな、これは素晴らしいと思いました。
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の作品は初めてでしたが、この人の作品をこれまで逃していたのは失敗でした。
エンドロールのあと、このままもう一
度と強く思ったが映画館のプログラムは1日一回になっていて駄目だった。残念でした。
この監督は年が近いというのもあるかないか、まあわからないが、非常に親近感がもてる瞬間がたくさんでした。
物語の場はロシアのある町だが、東京のことかと勘違いするほど違和感がなかったのです。
僕はダンスだから映画とは余りに異質かもしれないが、それでも人間は人間だから考えたり感じたりする根っこは、いま生きているこの世界この現在現実なのだから、表し方は違っても、吸ってきた空気や人間の匂いはどこか共通なのかなと感じ、震えました。
お父さんやお母さんが互いを苛立ち、心に穴が空いたまま地下鉄に乗ったり働いたりサンドイッチを食べたりセックスしたりする姿は痛い。そして、声をころして号泣するのは子どもで、
その姿はもっと痛い。
どこかに消えたい、そう思ったことがありましたが、あのときの気持ちが、暗く蘇りもしました。
棘だらけの会話。伏せた眼差し。ささやく声。そこに雪が降りしきって、あらゆる全てを冷却し白く白くしてゆくのです。
ときに眼を背け耳を閉じたくなるし、嗚咽したくなる瞬間も沢山あるが、それは私たち自身の姿で、それは私たちの棲む世界の風景でもあるのだから、やはり凝視してしまいます。
こういう表現を貫くこと自体が勇気ある行動だと思うし、絶望に正確に向き合ってゆく姿勢自体が素晴らしく感じました。
作者が観客に媚びないから、観客も自由に感じ考えることが出来る。知的だと思います。
(公開中です)