いやでも8月は来る。
8月6日、8月9日、
8時15分、11時2分、
、、、
、、、。

夏空が青ければ青いほど、
なにも言えない気持ちになってしまう、
そしてなにも言えない胸に、
青空が刺さる、、、。

(アア オ母サン オ父サン 

早ク夜ガアケナイノカシラ)

ひとりひとりの8月から、
ひとつひとつの心をさがし続けるならば、
いつか8月の空は本当に明るくなるかもしれないが、

あまりにも、なんとあまりにも、
僕は言葉をうしない続けるのだろうか、

何も言えない胸のまま、
それでも言葉ひとつを言葉したか、
言葉しようとしたか、
と夏の空は問うてくる、

黙するしかなくとも、
子どもに、なにかひとつの言葉を、
8月6日の、8月9日の、、、



( )は原民喜の鎮魂歌からの抜粋です。