ソロ公演を終えてすぐのレッスンでは、言葉と踊ることをたっぷり練習しました。

きのうのクラスで踊ったテキストは、まえにも紹介したオウィディウスの 『変身物語』からでしたが、中村善也氏の日本訳が美しいので、もう長くなりますが毎月一度はここから踊っています。

ほかにも、日によって、機会によって、言葉から踊ることはたくさんあります。

言葉は日本語の場合48音ですが、
くにによって多少ちがうとしても、限られた音声で出来ている。限られた幾つかの音声を何万年も呟いたり叫んだりして生活のあらゆる苦楽を伝えあってきた、そこが実に面白いと思います。

数えきれない自然の音のなかから、あるいは無限の静寂からかもしれない、いずれにしてもとてつもなく広いところから、この僅か48の音を、わたしたちのたましいをのせる舟として聴き分けた祖先の鼓膜は、すごいものだと思えてきます。


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