表現には時間がかかる。ためて、あたためて、考えてゆく時間を大切に過ごしたい。
ダンスの場合、稽古そのものが考えを温め練り上げてゆくことだ。
動くことは全神経を動かすことでもある。座って考えてもダメだ。
いま感じたことをただ表現するだけでも自分自身は変わらないから保守的になるように思う。
感じ、動き、考え、動き、また考え、という連鎖的な行為の繰り返しの中で、感情の働きそのものが少しずつ変わってゆく。そして変化する感情の働きは意思すること、意識すること、やがては己の肉体に働く感覚そのものがさまざまな変化を起動し始めると思う。
稽古によって肉体だけではなく感性そのものが変化する。いや、感性と肉体が別々であるはずがない。稽古は変身のプロセスそのものだと思う。今年最初のレッスンをしながら、踊りを共にしながら、そうリアルに感じた。