ノートに、こんなメモがあった。

「すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。
 きこえるものは、きこえないものにさわっている。
 感じられるものは、感じられないものにさわっている。
 おそらく、考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう。」

志村ふくみ先生のご本から書き写したのだった。

ノヴァーリスの言葉ですと紹介されていたが、この一文を見つめていると、先生ご自身の声が聞こえてくるようにも、感じる。

感動といっしょに言葉が受け継がれてゆくとき、言葉には、新しい血が流れるのだろうか。

あんまり素敵な言葉だから、声に出してみたが、おぼつかない。
言葉と僕の声のあいだには、まだ遠い距離があるようだ。
(でも、すごい、凄いなあ、この言葉は、、、)

言葉を見つめている。

見つめているその姿を、言葉に見つめられているようでもある。

どきりとする。