公演のため1週間お休みをいただいたレッスンが再開した。
昨日水曜はオイリュトミー、本日木曜は即興のクラスだった。
肉体に、心に、同時に刻一刻の時に、真摯に立ち居振る舞う姿は、僕に何よりのマコトを垣間見せた。
貴重な時間を割いて稽古場に立つ。それ自体が文化だと思える。一つの国に文化があること以上に一人の人が自分の文化を持つことほど大切なことはない。
踊りは、命の燃焼と言われるが、その根底には、人生という限られた時間と肉体という限られた空間を大切にしようとする行為や試行錯誤や迷いや目覚めの積み重ねがある。だから、あらゆる芸術のなかで一番古く、同時に常に一番新しい。
一朝一夕に変化叶わぬ肉体を相手にする。刻一刻と移ろいやすい心に何かを問う。
迷いを受け止め、見つめ、未知数の可能性を信じ、かつ、現在なるものを赦し寿ぐ。
それは糸を一本ずつ紡ぎ、紡いだ糸を織る作業にも似ている。あるいは静寂のなかに落下する音なき音を譜面に蓄積し、やがて現実の響きを轟かせてゆくシンフォニーにも似ているかもしれない。
そのような、紡ぎの過程にある身体の美しさや、努める姿に、人が人たる所以である何かを感じずには、いられない。
レッスンの再開と同時に、自らも稽古に戻る。
日進月歩、という言葉は、踊りに関する限り、嘘ではない。