高倉健さんが・・・。

白黒の『網走番外地』1965が好きだ。
その一場面がニュースで流れていた。
真白い雪のなかを転がりに転がって演じるアクションシーン。

高倉健は雪。
なんとなく、そう思っていた。

2.26の青年将校も、渋い駅長さんも、少しアウトローな感じで雪のなかに立っていた。

健さんを思い出しながら今年の初雪を見るんだろう。

きょうは日本中がお通夜みたいだ。健さんも、やっぱり死んでしまうのである。
なんか、やっぱり時代は入れ替わってゆくのである。

健さんを思い出しながら、これから僕らは何かを卒業してゆくのだろう。

けんさんあいしてる~、おいのちちょうだ~い~・・・、

という、あの寺山修司の書捨ての歌が、ふとアタマをよぎる。

寺山氏いわく
「死んだ人はみんなことばになるのだ」

とすれば、「けんさん」は、
どんな言葉になって未来に吹雪くのだろうかしら。