初心のころ友人がしきりに勧めてくれたのがエリック・サティ。なんかスカした曲だな、と、わからないまま踊っていた頃がありましたが、この頃遅ればせながら、ああこれは、と、ふとため息が出るようになり、ダンスクラスで振付を提案。あ、あれね、という方も多いでしょうジムノペディ三部作、あまりにも有名、だけど、やはり良い曲です。
ゆっくりしたリズムのなんて果てしないこと、メロディの消えゆくような繊細さ、それらが交歓するわずか2分そこそこのなかに、無数の原子が戯れる姿が見える気がして、だから、スローな曲なのに、ひしめくような沢山の動きをダンサーは踊る振付になりそう、消えゆく存在に追いすがるような。
これが、メンバーには意外と評判が良くて、やりましょう、これ、いいわね。ということで、しばらく稽古メニューに採用となりました。温めていて良かった!やりがいあるダンスに成長させていきます、ぜひ皆さんよろしくお願いします。

それから、もう一作品。ミニマル音楽をカラダで体験していきたくて、フィリップ・グラスのダンスピースを練習に取り入れることになりました。
テリー・ライリーやスティーブ・ライヒは以前に取り組みましたが、ちょっとポップなこの人グラスは初めて。
これは、インプロベースのつもりだったのだけど、試しに軽く踊ってもらうと、いい動きがポロポロある。えらくインスパイアされまして、アンサンブルの振付が湧いてしまった。ああ色々思いついてきたというと、じゃあ振り下さいよぉ、ということに。で、始めてしまいました。一人一人とても美しく見えましたから、これもしばらく稽古しようよ、となりました。繰り返し繰り返し繰り返し、という音の連鎖に身を投じてみる。全身振動しつづけるという知覚体験の試み。これを経て、なにか純粋に運動しつづける面白さを経験できたらいいなと思います。

プリミティブで体当たりな「春の祭典」から一転。スタイリッシュなダンスが展開する予感の、ダンスクラス。新タームの始まりです。

全身スカーッと開け放つような、身体の美を、追いかけて踊っていきましょう、この夏は。

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【定期クラス2013年度夏タームより、受講生募集のお知らせ】
6月から定期クラスのメンバー募集を始めます。
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