無我夢中に動きつめ、動いてその余韻や葛藤の中で音を探しあるいはピアノを弾いたり打楽器を叩いたり、また動き、こんどは光をさがして。
「ウソツキ」にならないように。
そのような暗中模索が極まってゆきます。公演の日が近くなるにつれ。

心の琴線に触れようとすることの、おこがましさ、畏れ。
しかし、そこにこそ一歩を踏み込んでゆきたいという衝動。
これはどこからくるのか。
ともすれば崩れ落ちてしまいそうな、この肉体を、いったいどうすれば良いのだろうか。答えないまま、立つ。まず立たねば。

稽古すればする程。さかさ刃の日本刀を扱っているかのような感覚に入ってゆきます。(刃はおのれにこそむけよということでしょうか・・・)
そして。
タマシイというほかない、いはば聖域の存在が、真っ黒な大きな穴のように、どどどとひろがってゆくのを、僕は感じてゆくのですが・・・。

創作、なんて言ったら気恥ずかしい、ホントは、ともすれば折れそうになるこの行為を、支えてくれている体験があります。
それは。
二年前あの三月の丁度いまごろかと思うけれど、あの凄惨を納めきれぬ心のしんどさのなかで目に飛び込んできた、地面から生え出る草の芽、樹々から芽吹くちいさなつぼみたち。それらに絶句したこと。
あの感情から、いくつかの踊りを初めての土地で初めて会う人の視線の中で踊って、今回はこの東京。おそらくは骨を埋めるこの土地に踊りを還してゆく。

無口な道化師として、ちいさな悲劇役者として、場所に、場所に息づく沈黙に、一身を差し出していく。
ダンサーは沈黙の専門家だと、そう思いつつ。

とりとめない文章になってしまっているのですが、まあ、こんな感じで、今日は、イッパイイッパイ。
踊り倒して動き倒して、という肉から骨から、どんな風情が出てくるか。
ひとつのからだとひとつのまなざし。
そのカンケイすることをこそ、踊り、と思いつつ。

春を迎える舞いになるかどうか・・・。
もうひと踏ん張り、あと一度、そんなふうに、繰り返す。
一日一日が短くなってゆく。そんな日々でしょうか。
また報告します。
お見守りいただければ幸い・・・。です。

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《STAGE information.》
櫻井郁也ダンスソロ新作公演『青より遠い揺らぎ』”breathing blue”
★チケット発売中!★
3/29(金)20:00、3/30(土)19:00 
中野・planB
(詳細はココをクリックしてください=作品HP
ひきつづき経過を書いていきます。よろしくおねがいします!