
息が対流している。
血液がせせらいでいる。
それらの静かなざわめき、ダンス。
からだの奥に、
風の渦、火と水の対話、光の明滅。
私たちの内側に、
宇宙と同じように、なんとも広がりゆく場所があることを、
イノチとよぶ波が紡がれてあることを、
からだは、ささやく。
ひとつの身体、それは、それ自身として息をしている。
極限の静けさのなか、体内からダンスが生まれる。
からだが、心を叩く。たわむれ、かかわり、生と死の螺旋。
血の音。体という波。
この場所で、命は時を数えて散らばってゆく。
ひとつのカラダ。
生かされて在ることの喜びと哀しみ。
現在への祝祭。
世界を壊しながら生きているのではないか、
踏みしめるべき大地を失ったまま生きているのではないか、
いまを生きつつ、そう感じることもあるが、
耳澄ませば、命を紡ぐ音が聴こえる、
そのことを、ただじっと受け止めることから・・・。
この作品に、生かされてあることの喜びと哀しみを込めて、
未来への祈りにしたい。
生きにくい時代だからこそ、踊ろうか、と思う。
このカラダと共に、この場所で、命の時を数え続けたい。
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櫻井郁也ダンス公演『風波』
11/13(金)20:00、11/14(土)19:00
会場=中野・ライブスペースplanB
(残席状況=両日とも、お席あり。土曜日のほうが、ゆったりお座りいただけます。)
公演詳細/会場アクセス/ご予約