白州での踊りを終えて帰京しました。農業の地です。青青と広がる田んぼ。そのなかに真っ直ぐな道が交差していましたから、そこで、踊りました。路上には、櫻井恵美子による、さまざまな音程の風鈴と真っ白い石灰のインスタレーション。風が豊かでしたから、煙のように灰が舞い、風鈴たちは和音を奏でました。これがうまく出るかどうかで、稽古してきた振り付けも、かなり効果が変わるだろうから、心配でしたけど、東京で重ねた実験が、うまく実を結んだのは、天の助けだったと思います。踊りだったのか、戯れだったのか。ともかく、体を投げて見ようって、精一杯やっていました。青すぎるほどの空と風が、踊りを支えてくれるのを、とても感じました。エネルギーの交感としてのダンス。広がる世界を、いかに受け止めてこの地上に立つか。例えばそんなことを始めとして、新たなチャレンジへのヒントを、欲望を、かきたてられるような経験になりました。それは、いま制作中の新作ソロ公演(11月13~14上演。東京planB)に、はっきりした方向と強度を与えてくれた予感がします。
上演後には、何人もの観客の方が、後を追って下さって感想を話しかけ今後を励まして下さった。こんなダイレクトな交流が生まれるなんて!本当にありがとうございます!
もちろん反省も多々あるわけですが、やってもやってもやりつくせぬ踊り手としてのジレンマを、あぁこの人は見てくれている、と感じ入ったのは、このフェスティバルの仕切り手である田中泯さん。踊りながら自己否定を抱えてゆくのは当然ですって、僕は何もこぼさないのにコトバを下さった。みんさ~ん(いや、泯さんを代表に皆さ~ん!)、ありがとうございます、と思いつつ、まだまだ、どこまでも、こんなに支えられている。まあ、なんとちっぽけなこと!
ともかく、今年は久々にたくさん踊ってみては、ということで、やっています。進行中の企画は、ダンス白州『水の節』10月16~18。吉田一穂記念舞踏10月25。現在全てを出しきる新作ソロ11月13~14。いづれも詳細決まったら当ブログにて発表します。何卒よろしくお願いします!