年一回から二回の自主プロデュース公演を、この10何年か続けている。大部分はソロ作品だが、ダンスは本当にはひとりで成立するものであるわけがない。舞台に立っているのは、ひとつの肉体でも、その肉体は、関わる全ての人とデュエットしている、というのが作品たる由縁だと、思っている。創作の始まりは抽象的な想像やら時代や社会やら無限にひしめくけど、最後には、スタッフと集中力をひとつにして、集まっていただいた観客の方とのダイレクトな向かい合いに、全て絞ってゆく。ダンスはマスコミュニケーションではなく、肌で感じあう湿度ある交歓だ。目の前にある人ひとりひとりを感じて、踊りは初めて生命を得る。自ら企画する以外の公演も、思いは同じ。本音で身を投じたいという共感に突き動かされて、やる。その代表が、ダンス白州というフェスティバル、お世話になりっぱなしだ。
水の里・白州の広がる野外風景から各ダンサーがそれぞれの踊りにふさわしい場所を選び定める。観客は景色を散策しつつ上演場所に集う。広い風景から自身の立つ場所を選ぶ作業をはじめ、ただそれだけで美しい田園やアルプスにすっぽりキマル立ち方をなんて四苦八苦であり、ほとほと思い知らされるが、いつも何かが生まれる手応え。みんながそれぞれの持ち場を工夫しながら祭りを喜び、暮らしの根っ子たる農へと思いを寄せてゆく。つい先頃の6月の祭りでは、田植え。今度8月は、野菜採りや蟲送りや盆の送り火が、諸芸をつなぐ。現場親方の田中泯さん始め、運営スタッフの方々、研究や稽古に来られる外国の方々、出会う人ひとりひとりが、ひとりとひとりという関わりを繊細に、受け育て繋ぎ、という、暮らしの芯を大切にしていらして、それゆえ根性さらけ出して裸にならねばと張り切れる。汗も泥も臭いも、目の前にある。労と遊びと休息のリズムを、呼吸出来る。ちゃんと生きてますか?と、問いが聴こえてくるような場だ。はい、ということで踊り子は踊るわけだから、正念本性を試される。試されるからこそ、躍れる。夢中で感じ踊りたい。
農と暮らしの節目たる季節それぞれを踊り寿ぐということで、今年のダンス白州は4回に及ぶ。そのすべてに加わることが許されて、緊張感しきり。踊り子として、尽くせぬ課題が、このフェスティバルにはあり、何度参加しても試練。それゆえ嬉しく、欲望も、たぎる。
いま第二季「火の節」への稽古プロセスがピーク。公演日は8月15日、祈りの日。夕刻にて。
観るたび素敵な寂寥さそわれる石原志保さんからバトンをもらい、僕が踊ったあとは、手筒花火の方々が火柱を天に差し上げる。夜半のコンサートは、二代目高橋竹山さんの津軽三味線。さて、どんなうねりとなるか・・・。
昨年から温めている単独公演(11月中旬、東京)も並行しているから、ほとんど毎日が創作作業になっている。ディスタンスと交歓に思い途切れぬままに稽古やクラスが連続してゆく。作品もクラスも、人間どうしの呼吸。
縁いただいて踊り、踊ることによって生かされている。踊りに関われば関わるほどに、ひとはひとを見ている、という当たり前が肌に染みるようになってきた。
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INFORMATION
【8/15・櫻井郁也野外公演 ”おどり”//ダンス白州2009ー四つの節会・第二期「火の節」】山梨・白州
公演日:8月15日(土)16時スタート予定※フェスティバル会期=8/8(土)~16(日)
会場:山梨県北杜市白州町野外にて フェスティバルご案内
【8/4・ほびっと村学校「舞踏ワークショップ」】東京・西荻
今月は、来週8/4日(火)と25(火)に行います。一緒に、踊りの初歩を稽古し、カラダとの対話を楽しみましょう。予約受付中!
舞踏WS今月のご案内
クラス紹介
水の里・白州の広がる野外風景から各ダンサーがそれぞれの踊りにふさわしい場所を選び定める。観客は景色を散策しつつ上演場所に集う。広い風景から自身の立つ場所を選ぶ作業をはじめ、ただそれだけで美しい田園やアルプスにすっぽりキマル立ち方をなんて四苦八苦であり、ほとほと思い知らされるが、いつも何かが生まれる手応え。みんながそれぞれの持ち場を工夫しながら祭りを喜び、暮らしの根っ子たる農へと思いを寄せてゆく。つい先頃の6月の祭りでは、田植え。今度8月は、野菜採りや蟲送りや盆の送り火が、諸芸をつなぐ。現場親方の田中泯さん始め、運営スタッフの方々、研究や稽古に来られる外国の方々、出会う人ひとりひとりが、ひとりとひとりという関わりを繊細に、受け育て繋ぎ、という、暮らしの芯を大切にしていらして、それゆえ根性さらけ出して裸にならねばと張り切れる。汗も泥も臭いも、目の前にある。労と遊びと休息のリズムを、呼吸出来る。ちゃんと生きてますか?と、問いが聴こえてくるような場だ。はい、ということで踊り子は踊るわけだから、正念本性を試される。試されるからこそ、躍れる。夢中で感じ踊りたい。
農と暮らしの節目たる季節それぞれを踊り寿ぐということで、今年のダンス白州は4回に及ぶ。そのすべてに加わることが許されて、緊張感しきり。踊り子として、尽くせぬ課題が、このフェスティバルにはあり、何度参加しても試練。それゆえ嬉しく、欲望も、たぎる。
いま第二季「火の節」への稽古プロセスがピーク。公演日は8月15日、祈りの日。夕刻にて。
観るたび素敵な寂寥さそわれる石原志保さんからバトンをもらい、僕が踊ったあとは、手筒花火の方々が火柱を天に差し上げる。夜半のコンサートは、二代目高橋竹山さんの津軽三味線。さて、どんなうねりとなるか・・・。
昨年から温めている単独公演(11月中旬、東京)も並行しているから、ほとんど毎日が創作作業になっている。ディスタンスと交歓に思い途切れぬままに稽古やクラスが連続してゆく。作品もクラスも、人間どうしの呼吸。
縁いただいて踊り、踊ることによって生かされている。踊りに関われば関わるほどに、ひとはひとを見ている、という当たり前が肌に染みるようになってきた。
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【8/15・櫻井郁也野外公演 ”おどり”//ダンス白州2009ー四つの節会・第二期「火の節」】山梨・白州
公演日:8月15日(土)16時スタート予定※フェスティバル会期=8/8(土)~16(日)
会場:山梨県北杜市白州町野外にて フェスティバルご案内
【8/4・ほびっと村学校「舞踏ワークショップ」】東京・西荻
今月は、来週8/4日(火)と25(火)に行います。一緒に、踊りの初歩を稽古し、カラダとの対話を楽しみましょう。予約受付中!
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