カラダを通じて、宇宙を呼吸するための踊り。それが、オイリュトミーという踊りの処方を考えたルドルフ・シュタイナーという男の願いだったのではないか。そのあたりの解説を含め、オイリュトミークラスを再開しました。基礎中の基礎からの稽古リニューアルです。気持ちのこもった、働きかけのある動きのことを「エーテル」のある動き、と呼んでいます。エーテルとは、生命の熱であり、気の流れであり、活力の元であります。呼吸でいうと、僕らはただ空気を吸い吐くのではなくて、さまざまな生きとし生けるものの生命熱を交感しながら生きている=流動/循環のただなかに「在る」。その発現をロゴス(言の葉)と位置づけたのが、シュタイナーでした。言葉は人間の精神と熱が呼応するエコロジカルな働きかけだというわけです。そして、それを全身の律動によってシンクロ二シティしてゆこうというのが言葉のオイリュトミー。さらに、僕らは外界に満ちあふれる可能性を予感し受け止めて音を聴き奏でます。言語以前の、より透明な予感を全身で受け止める。語る、に対して、聴く、という行為。感受というものを磨こうというのが、音楽オイリュトミーです。言葉の熱を踊り、音楽の夢を踊る・・・。語る動き、と、聴く動き。この照らし合わせ往復をしながら、僕ら人間の人間らしさを高めてゆこうというのが「オイリュトミー」という、ダンスワークだと思います。オイとはEU、EUとは生き生きしたというイメージの欧州古語であり、リュトミーとは、リズムのドイツ語変化形です。稽古の軸は、生き生きしているかどうかです。うまい・へたではない。動的な有機サイクルのただなかにある喜びを、調和と呼ぼうじゃないか。それがシュタイナーのメッセージと僕は捉えています。ダンスの原風景。ですね。
秋冬のクラスでは、その世界観を詳しく解説しながら基礎的な身体運用を練習します。サブテキストはシュタイナー著/高橋巌訳の「自由の哲学」。シュタイナー若き頃の思想集成にして主要著作の筆頭格。ここに、芸術衝動をこそ基盤とした独特の世界観の種があり、オイリュトミー舞踊の精神的な根っこがあると思います。まったくの初心者より、新しい参加を待ってます。興味ある方はお問い合わせ下さい!
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