今週末のステージ「ANARCHITEKT」(7/22 planB)は、全く異なるタイプの作曲家2名との連続ステージ、そして、全編即興による本公演は5年ぶりです。公演情報


今回の公演を全編即興にしたのは、
1:アーチスト同士の出会う瞬間を、提示したい。
2:「現象」としてのダンスを探ってみたい、ダンスが、瞬間的に「消えてしまう」ものであることを味わう場にしたい。
という2点が大きな出発点でした。

そのあたりを受け、目下2人の作曲家がプラン大詰めを迎えているようです。
二人に共通するのは、即興だからこそ考えることを大事にしたい。勢いに任せて「やり捨て」はイヤだ!という態度です。

今回のために、SESSION1の音楽家、大南さんは「音の回覧板」なるものを発明し、一般の方・不特定多数に「気になる音」を録音してもらっている様子。
現在、子供からお年寄りのサークルまで、色んな方々から回収中とのこと。それらの音素材が、公演当日に僕の踊りにぶつけられるとのことです。
大南さんとは古い付き合いです。作曲を頼んだり、友人としても付き合っていただいたり。紆余曲折を経て、今回は数年ぶりの再会です。

そして、SESSION2の鈴木さんは、身体と反応するコンピュータのサウンドシステムの開発に余念が無い状態。
始めは、ダンスと音楽とのゲーム的なやり取りをというプランから出発して、今はダンスという磁場からいったいどのような音が響くのか、というあたりの事や、そもそも音はどの程度、身体に影響をあたえるのか、など、非常に繊細なところまで思考を展開していられる感じがします。
鈴木さんとは全くの初顔合わせ。
僕が彼の作品初演に関するコメントを、このブログで書いたのがきっかけで、お互い真剣な作業によって出会いたい、ということでお願いしました。

いったいどのような世界になるのでしょう。本番を数日後に控えて二転三転の作業が、ひたすら繰り返されている様子。

今回、5年ぶりの即興公演ですが、おそらく前の時とは身体も想像力も変わっている、と実感してのことです。

当日は僕のダンスと作曲家2人の音に加え、照明家の佐藤啓さん(大人計画など演劇でも大活躍)、空間デザインの櫻井恵美子にも自由にやってもらうつもりです。あえて、「音と動き以外を排除する」という演出は行いません。

そして何よりも、ご来場いただいたお客様の「気」が、そこに加わります。
60分という空っぽの時間の器を前に対峙する、劇場内のすべてが影響しあいながら、「何か」を作業していくことになりそうです。

未知の作業場としての舞台。さて、どうなるのでしょうか?!