本日の金曜:ダンスクラスは、完全即興の稽古でした。
たったいま、僕自身も即興による公演(7/22東京・planB)に挑戦中ですが、実は即興というのは現代ダンスにとって欠くべからざる主要な要素のひとつ。このクラスでは、少なくとも月に一度は完全に自由に踊るということを行います。
集まり早々、今週いっぱいの気分の変化を全員にインタビューしたのち、話し合ったそのままの姿勢で眼を閉じ、個々のたった今の身振りをじっくりと思い描きます。
「今」とっている体の仕草を充分意識できたなら、ゆっくりと心の変化を受け入れ、うごきに移っていきます。
しばらくは他の人を観ないよう、眼を閉じたまま。そして、体のうごきに集中できたなら、その集中を失わぬように、そ~っと眼を開いていきます。
今日は非常に緩やかなうごきながら、互いを感じ続けているような、耳を澄ましたような静けさが稽古場を満たしていました。いい感じなので、そのままそっと音楽を。バッハ作曲・ウェーベルン編曲による「音楽の捧げもの」。踊りも本来は表現ツールではなく、自然界や神様、死者たちへの捧げものでした。
途中休憩。汗をふき、ドリンクを飲みながら、僕の話を。遅れて来たメンバーが、稽古場の窓に映る影を観た感想を言ってくれました。人のからだが丁寧に動く影は、美しいものです。その事を己の身に置き換える試みからダンスは始まります。この話から想像をふくらませ、踊りがもつ魅力の話へ、そして、現代ダンスの始まったいきさつの話へ。
今日は現代ダンスの祖、イサドラ・ダンカンの話、人智学の創始者、ルドルフ・シュタイナーの自己認識論を少々。(人智学とは、20世紀初めにドイツ、スイスを中心にわき起こった人間性恢復に向けての提案/思索体系です)。いづれも高度資本主義の始まる予感のなかで、自由意志と愛の問題を提言した人々です。このクラスは自由な踊りを求めるクラスです。自在さ・器用さと一線を画する何かを求めた人々の思索を、今後もざっくばらんに解説したいと思います。
話の後は、残り時間すべてを音楽を聴きながらのフリーウォーキングにあてました。
土曜日のフィジカルメニューに対して金曜日クラスでは徹底的にメンタルと動きの繋がりにこだわっていきますので、「正しい」歩き方というよりは、思いのこもった歩き方。姿勢やうごき方の「クセ」には一人一人が現在担っているものが反映している、そのことをより深く味わいながら自らの心や体の変化を受け入れていく歩行です。
基本は急がぬ事。
1週間という単位で、人は惑星をめぐるように己を変化させていきます。本日一歩の歩みに誇りをもち、時を共有する者の一歩一歩の足の運びに愛を注ぐならば、私たちはもっとお互いの事を大切にできるかもしれません。
完全即興とは、新奇な動きの抽出ではなく、むしろ身に染み付いた動きの受け入れや、その意識化・再評価を通して、今生きている現実を踊ろうとする手法と、僕は考えています。
明日は土曜日の基礎クラス。ヨガ・バレエなどの古典やスポーツのトレーニング法を組み合わせながら、体と心の調整をして週末を迎えたいと思います。
クラス紹介&参加方法
たったいま、僕自身も即興による公演(7/22東京・planB)に挑戦中ですが、実は即興というのは現代ダンスにとって欠くべからざる主要な要素のひとつ。このクラスでは、少なくとも月に一度は完全に自由に踊るということを行います。
集まり早々、今週いっぱいの気分の変化を全員にインタビューしたのち、話し合ったそのままの姿勢で眼を閉じ、個々のたった今の身振りをじっくりと思い描きます。
「今」とっている体の仕草を充分意識できたなら、ゆっくりと心の変化を受け入れ、うごきに移っていきます。
しばらくは他の人を観ないよう、眼を閉じたまま。そして、体のうごきに集中できたなら、その集中を失わぬように、そ~っと眼を開いていきます。
今日は非常に緩やかなうごきながら、互いを感じ続けているような、耳を澄ましたような静けさが稽古場を満たしていました。いい感じなので、そのままそっと音楽を。バッハ作曲・ウェーベルン編曲による「音楽の捧げもの」。踊りも本来は表現ツールではなく、自然界や神様、死者たちへの捧げものでした。
途中休憩。汗をふき、ドリンクを飲みながら、僕の話を。遅れて来たメンバーが、稽古場の窓に映る影を観た感想を言ってくれました。人のからだが丁寧に動く影は、美しいものです。その事を己の身に置き換える試みからダンスは始まります。この話から想像をふくらませ、踊りがもつ魅力の話へ、そして、現代ダンスの始まったいきさつの話へ。
今日は現代ダンスの祖、イサドラ・ダンカンの話、人智学の創始者、ルドルフ・シュタイナーの自己認識論を少々。(人智学とは、20世紀初めにドイツ、スイスを中心にわき起こった人間性恢復に向けての提案/思索体系です)。いづれも高度資本主義の始まる予感のなかで、自由意志と愛の問題を提言した人々です。このクラスは自由な踊りを求めるクラスです。自在さ・器用さと一線を画する何かを求めた人々の思索を、今後もざっくばらんに解説したいと思います。
話の後は、残り時間すべてを音楽を聴きながらのフリーウォーキングにあてました。
土曜日のフィジカルメニューに対して金曜日クラスでは徹底的にメンタルと動きの繋がりにこだわっていきますので、「正しい」歩き方というよりは、思いのこもった歩き方。姿勢やうごき方の「クセ」には一人一人が現在担っているものが反映している、そのことをより深く味わいながら自らの心や体の変化を受け入れていく歩行です。
基本は急がぬ事。
1週間という単位で、人は惑星をめぐるように己を変化させていきます。本日一歩の歩みに誇りをもち、時を共有する者の一歩一歩の足の運びに愛を注ぐならば、私たちはもっとお互いの事を大切にできるかもしれません。
完全即興とは、新奇な動きの抽出ではなく、むしろ身に染み付いた動きの受け入れや、その意識化・再評価を通して、今生きている現実を踊ろうとする手法と、僕は考えています。
明日は土曜日の基礎クラス。ヨガ・バレエなどの古典やスポーツのトレーニング法を組み合わせながら、体と心の調整をして週末を迎えたいと思います。
クラス紹介&参加方法