暑いですね!稽古場もあついです。でも、なんだかシャワーでもあびたように、
気持ちいいのも確かです。きょうは、インプロヴィゼーションを中心に、かなり踊りました。前半、たっぷりと時間をとって1時間近くを体の整備に当てました。基礎クラスで行っている呼吸法を導入に、おなかの筋肉を十分意識し、ヒップや骨盤、そして内臓にも働きかけて、からだを芯から意識していきます。
そんな作業を丹念にこなしながら、上半身、とりわけ胸部と肩の力が、がくんとヌケる瞬間をねらって、即興をスタート。あとは、ひたすら踊りつくすという展開になりました。そんななか、僕はメンバーの踊る中をくぐるようにしながら、体のコンディション、呼吸のコントロールについて、できる限りのナビゲーションをしていく。イメージや展開については受講者の方のなかで、どんどん湧いていくようなので、とにかく見ているだけでおもしろい!という状況でした。

ところで、夏場、とりわけ暑い日には、充分な運動が必要です。一見開放的な季節だけれど、身の回りのほとんどの環境が、体を冷やす方向にありますし、意識も体の外側に向かいがちです。さらに、仕事はもちろん、レジャーだの、帰省だの、なんだか忙しい!スト~ンと時間をとって、骨やコア・マッスル(筋肉の深部)に意識を向けないと、体はどんどんこわばってしまいます。
体のこわばりは、イメージが湧いてくる瞬間を抑圧しやすいです。イメージとは、別に高尚なものではなく、心のなかの「ゆらぎ」です。体の内部を意識していくことから、音楽との親近感に変化が訪れやすくなります。それは、心のゆらぎを受けとめる環境づくりであり、たえず変化している自分自身との会話につながっていきます。

ダンスの楽しさは、体と一緒に心の中が活性化していくところにあります。からだとこころのどちらが先というわけでなく、ともに手を携えて変化していく様子が、思わぬ自己発見につながるのです。それは、一種の浄化作用です。僕らはいろんな想いをいだいて日々を過ごしているけれど、時には可能な限り心の中をからっぽにして、でたらめに徹する時間が必要です。ほぐれた体の動きは、チャーミングです。真剣に踊れば踊るほど、からだはほぐれていきます。もともと人間の体はみんな違うわけで、ほぐれたからだは、その「違い」を際だたせてくれます。体の違いは、場の空気をひろげ、「いろんなひとが存在する」という、あまりにも当然なリアリティを明快に示してくれます。「違う」ことに徹するときの、無邪気さは、時に滑稽で、それでいてどことなくカッコイイんですね。動きながら、そんな状況を体験していくと、いろんなことを忘れてしまいます。忘れれば忘れるほど、混み合っていた心の中に、イメージの風が吹き、そしてまた忘れてしまいます。肉体と絶えざる会話を繰り返すことは、自分自身に充分向かい合ってあげている、ということ。そんなじかんのなかで、魂に、笑いが訪れるゆとりが生まれます。

しばらくは、そんな練習に時間を費やしたいと思っています。この夏は、どんどん動いて、わがままに徹してしまいましょう。メンバーの方も、これから参加しようかな~、と思っている方も、お楽しみに!!