
予備校を利用しようと思った直接的な理由は、勉強のペースメーカーにすることだったが、定期的に模擬試験を受けることの大切さも見逃せなかった。
私のように、大学受験から数年も離れていたような再受験生は、とにかく試験に対する感覚が鈍りに鈍っている。
時間的に非常に厳しいセンター試験対策では、どの問題にどの程度時間を使えるかといった感覚がまったくなくなってしまっている。
この類の感覚は、例えマーク模試問題集を買ってきて自分で時間を計りながら解いたとしても、簡単には磨けない。
1回の模擬試験で4千円ほど掛かってしまうが、合格に必要な経費だと思って、できるだけ多くの模試を受けるように決めた。
幸いにして、単科コースを申し込んだ予備校は河合塾、代々木ゼミナール、駿台予備校、ベネッセの各マーク、記述模試を受けることができたので、試験慣れにはとても役に立った。
また、予備校に在籍しながら模擬試験を受けることで、全国の何万人という母集団の中での自分の位置だけでなく、予備校という数十人の集団の中での成績が出るので、成績の伸びや落ち込みを身近に感じやすくなった。
受験において一番重要視したのは自習であった。
ただ、私は会社に勤めていたとき、自宅をもっぱらリラックスするスペース専用にしていたので、いざそこで勉強を始めてみても、なかなか集中できなかった。
「家では勉強できない」というやつだ。
だから受験生活でも、勤めに出ていた時同様、自宅外で勉強し、自宅は気分転換の場にすることに決めた。
私が選んだ予備校の入学案内パンフレットでは、自習室のオープン時間が平日は午後10時ごろまでと、地域最長であることをうたっており、目いっぱい使うつもりでいた。
ただこの予備校、一般的な大中教室がたくさんある大手予備校と違って、民家をひたすら改修したような構造をしている(立地は交通の便がよい住宅街)。
自習室とされる場所は、部屋内を廊下が通っており、人が通るたびにドアの開け閉めの雑音や足音などがして、とても集中できない。
講師室や2階教室の会話も1階自習室に響くときもあり、自習室の収容人数を増やそうと机を密着させて並べているため、隣の席がとにかく近い。
2~3時間自習しただけで肌に合わず、自習室から逃げ出してしまった。