三度目の殺人 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

三度目の殺人

67点

『誰も知らない』『そして父になる』『海街Diary』などの是枝裕和監督作品。
この監督にしては珍しく、裁判を扱った正統的サスペンス。
2度目の殺人を犯し死刑濃厚となっている被告(役所広司)の事件を、敏腕弁護士(福山雅治)が担当する展開。物語は全体的に重く、暗い。
真相が徐々に明らかになっていくタイプだが、終盤は難解。それは内容自体が難しいのではなく、あえて登場人物の心情を曖昧にしてることで、映画自体がかなり遠まわしな表現になってるんだな。なので見る人によって解釈が変わってきたりする構成。
ラストも「え?終わり?」みたいな締めなんだが、見た人同士で議論したくなるというより、単に消化不良なだけの印象。なのでもう一度見たくなるようなタイプじゃないかもしれない。
豪華キャストはそれなりにいい味出しているけど、こういう渋めの作品には合っていない気がした。色んな意味でアンバランス、喉に魚の骨が刺さったみたいなもどかしい感じ。

 

監督:是枝裕和
出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、市川実日子、橋爪功
2017年  124分