人間、皆、劣等感というものを持っています。
そして、その劣等感を隠すために、ある技を使います。
それは、何か?
劣等感という陰の部分を隠すのですから、当然、陽の部分を持ってきて、そして上書きするということです。
陽の部分とは?
それは、優越感というものです。
優越感を味わうことで、この忌々しい劣等感を押し隠す、というわけです。
さて、ここで、どうやって優越感を味わうか、ですが、・・・
簡単です。
それは、攻撃的になる、ということです。
相手を攻撃して、相手を引き下げ、あたかも自分が引き上がったと錯覚し、そして優越感に浸るということです。
うまく引き下げの心理を使っているわけですね。
攻撃的な人は、実は、決して自分の正当性を訴えたいのではなく、自分の劣等意識を押し隠すために、敢えて攻撃的になり、優越感を味わうことで、一瞬、劣等感から脱却したいだけなのです。
決して、強い人だから攻撃的なわけではないのです。
単なる自己防衛本能、というわけです。
この攻撃的な人の特徴は、正当性という御旗を立てているので、自分が世間に対して、何をしているのか、を把握することができなく、ただ、世間からは劣等意識を押し隠している、と見られてしまう、ということなのです。
まず、裸の王様にならないように注意するべき点は、自分の劣等意識を認識し、その劣等意識を許してあげることです。
「なるほど、劣等意識が自分にはあるのだなあ」
というふうに認め、許してあげることです。
ただ、なかなかこれは出来ないものです。
なぜなら、弱い自分を人は認めたくないからです。
ただ、一つ注意して欲しいのは、弱い自分も自分の中の一部であって、否定する部分ではない、ということです。
大抵の人は、弱い自分を否定してしまいますが、これをやってしまうと、どうしても自分に対して、自信が持てません。
また、自分を否定するということは、自分を攻撃するということなので、さらに自信が崩れていきます。
もし、そういった方で、自信はあるという方は、もしかしたら自信ではなく、過信なのかもしれません。
自信と過信では雲泥の差というほどの違いがあるので、過信を持ち続けていると、どうしても劣等意識は温存され、攻撃的な態度を繰り返すことになります。
あなたは自信を持っていますか、それとも過信を持っていますか?
人間というものは、弱みがあると隠すという習性があるのですが、この弱みを露出させてはじめて、人間らしい人間になれます。
弱みをも表現できている人って、強い人だと思いませんか?
それこそが自信のある人間だと思いませんか?
まずは、自分の弱みを知る、つまりは自分を知るということから始めていくことが肝要です。
己知らず、では、目をつむって人生を歩んでいるのと同じですから、波瀾万丈な人生になっても不思議ではありません。
開眼した上で、ぜひ人生を闊歩していただきたいと思います。