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優勝

天然と言われますが、人生楽しく、ちょっとアホでいい♪

昔、週刊SPA!てコラムを連載していましたー☆

とぼけたブログですが、よろしくお願いします♪

もう10年以上前の事だ。
僕と友人2人で、敦賀市に泊まりで出かけた。


ビジネスホテルに三人部屋をとり、チェックインだけ済ませた。


以前、敦賀市の本町という飲み屋街で店を出していた事もあり、本町の友人の店で食べて飲んだ。


そして2軒目でも飲んで歌い、12時くらいに店を出てホテルへ向かった。


ホテルに着く頃、僕は便意に襲われた。



また便の話だ。



僕はほぼ、和式トイレでしか便が出来ない。それは実家が和式だったので、その癖が付いていた。



洋式ではうまく肛門が開いていない気がするのだ。



僕らの泊まってるホテルは、残念ながら和式がなかった。




僕はしつこく、ホテルマンに聞いたが、ホテルマンはどこにも和式トイレはないと言う。


僕は、
『本当にないですか?よく思い出したみて。』



何度も念を押して和式トイレを探す僕に、ホテルマンは心で首をかしげていた事だろう。



仕方なく僕はティッシュを持ち、ホテルから出た。



そして見つけた。



道路を挟んだ、ホテルの駐車場の奥の暗闇を。



そして念のため、酔っ払ってる友人に入口あたりで見張りを頼んだ。



A地点で友人が見張りをし、僕はB地点で便をした。



もう一人はアホらしくなって部屋に戻った。



B地点は草も生えていて、奥は土の駐車場だった。



僕はほどよい草の場所を見つけ、そこに座り込んだ。



ほどよい草でないと、跳ね返る可能性があるからだ。



5センチから10センチがベストで、それ以上だとお尻がサワサワする。



そして僕が第一弾を出した時、事件は起きた。



地図でいうB地点の下から、声が聞こえた。



僕の真後ろのほうだ。
僕は車と同じ向きに座っていたから、Bがお尻だと思ってくれていい。



後方からカップルの声が。
案外近いし、近付いてくる。



僕はあせった。



どうしよう。



どうにも出来ない。



拭いてないので、立てば便が付く。


僕はお尻を出したまま、蟹のように動いた。



闇夜に動く、敦賀の蟹。



本場、越前蟹。



僕の後方では女子が、
『キャー!なんか動いたで!』
と悲鳴に近い声。


真っ暗が幸いした。



僕は蟹のまま、地図の右上の車の影まで変な歩き方で動いた。


そして急いで拭いて、何事もなかったような顔で友人の所へ行った。



僕が安全地帯だと思っていたB地点の先には、あぜ道があったのだ。


でも誰が想像出来よう。こんな夜中にカップルが歩いて来るなんて。


何しとんねんカップル!



逆にカップル側から言えば、誰が想像出来よう。



あぜ道を歩いて来たら、ウンコをしてる男がいて、暗闇を蟹みたいに歩いて逃げて行くなんて。



僕はそれ以来、なんとか洋式トイレの上に足を置いて、座って便をこなすようにしている。



おしまい。




嵐山あおや