僕の愛車が盗まれた。
僕の愛車とは、6段変速の自転車だ。もしかして5段変速だったかもしれない。
いや、6段と5段の違いとは何だろう。
そこはいい。
また話がバナナのようにそれそうなので、とりあえず進む。
宮尾すすむ。
自転車はマンションの駐輪場に置いていた。だが僕は大らかな性格なので、鍵はかけない。
きっと君は思っただろう。大らかと鍵に関係性はないと。
その自転車がある朝、乗ろうとしたらない。僕は、違う所に止めたのかな?にしのかな?
と思った。
人は、普段ある所に大きな物がなくなった場合、とっさに盗まれた、とは思えない。
どこに置いただろう、と考えてしまう。僕は探した。タンスの中も見た。
でも、いくら考えても、やっぱり駐輪場に置いた。盗まれたのだ。
自転車を盗むなんて、、、
盗んだ奴に言いたい!
盗んだのがバイクなら、尾崎豊のようにサマにもなるが、盗んだのが自転車なら、
盗んだ自転車漕いでいる姿を思い浮かべても、いい曲は出来ない。
しかも盗んで自転車を漕いでいる時、その人はきっと、
その人はきっと、
立ち漕ぎをしていたはずだ。
早く漕ぎすぎて、足がカクンてならなかったかい?
その自転車は1週間後、近くの車折神社前駅で見つかった。
小学校1年の娘が、たまたま見つけた。
ちょっと驚いた。娘の記憶と、盗んだ人が駅まで僕の自転車を使ったって事を。
そして僕は、今も同じ所にその愛車を止めている。鍵もかけずに。
また駅までなら乗って行ってもいいよ。
泥棒さん、急ぎすぎて、足、カクンてならないでね。
嵐山あおや