『いい香りの女』〜生田CO、さっそくありがとう♫〜 | 優勝

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天然と言われますが、人生楽しく、ちょっとアホでいい♪

昔、週刊SPA!てコラムを連載していましたー☆

とぼけたブログですが、よろしくお願いします♪





僕は仕事帰り、丸太町から京都市バスに乗った。



座ったとたん、めちゃめちゃいい香りが、ほんのりとしてきた。


なんとも言えない、そのいい香りを嗅いだとたん、僕はなぜかススキノを思い出した。


なぜかは分からない。




その香りは、まぎれもなく、前の座席の女性の香りだった。


コロナのせいで窓は開いていたので、前の女性の髪はユラユラ揺れていた。


おまけに、その女性は、風で髪が乱れるせいか、何度も髪をかきあげる。


何度も何度もだ。


浅野温子と同じ回数だけ、その女性は髪をかきあげた。


その度に、いい香りが僕の鼻をよぎる。



女性がチラッと横を向いた。
顔立ちが見えた。



マスクとメガネをしていたが、白い綺麗な顔だった。



浅野温子ではない。


雰囲気は井川遥だ。


また髪をかきあげる。


僕は携帯で将棋をしていたが、女性が髪をかきあげるたび、僕は歩を動かすのをやめ、香車を動かした。


なぜか僕は、香車を動かした。



↑なんか、ここ、文学小説みたいじゃないですかー?



そんな事はどうでもいい。


僕が降りるバス停でも、女性はまだ座っていたので、僕は振り返り、井川遥を見た。


井川遥も僕を見た。


よく顔を見ると、井川遥には程遠い、熱帯魚みたいな目をしていた。


淋しい熱帯魚は、僕からそっと目をそらした。




嵐山あおや