『なさってる方』 | 優勝

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天然と言われますが、人生楽しく、ちょっとアホでいい♪

昔、週刊SPA!てコラムを連載していましたー☆

とぼけたブログですが、よろしくお願いします♪

僕が16歳の頃、男友達3人と伏見区深草まで、泊まりに出かけた。


中学の同級生のエツコが、泊まりに来いと言ったからだ。


エツコは中学の時からヤンチャで、隣町の宇治市の中学から転校してきた不良だった。


僕らは原付バイクでエツコのマンションに着いた。大きなマンションだった。


今夜はすき焼きをすると言うエツコに、僕らはそれぞれ買い出しに出かけた。


さて、すき焼きを始めようとすると、『ただいまー!』と、おっさんの声。


友達A『誰や?』

エツコ『彼氏や!』

僕『か、彼氏?』


彼氏と呼ばれるおっさんが入って来た。体はデカくて、目がするどく、頭はヤバイほうの角刈りだった。


僕は一瞬で、思った。
『なさってる方やろな?』


その男性は隣の部屋で服を着替えていたが、背中に絵柄が書いてあった。


僕とは違う背中だった。


その時、思った。
やっぱり、なさってる方やろな、と。


僕らは妙な5人で、すき焼きを始めた。が、絵柄を見てから、友達も無口になった。


サイレントすき焼きだ。


おもむろに絵柄が、
『お前ら、エツコとどういう関係やってん?』


初対面で、お前ら?


しかも、すき焼きしながら?


友達B『と、友達です!』

エツコ『あんた、なんでそんな事、聞くんやな?』


もう、エツコの言い方が岩下志麻にしか聞こえない。


なんとか、すき焼きを終えた時、友達一人が、
『俺、やっぱり帰るわ!


と言い出した。僕は思った。
気持ちは分かるが、帰るな!と。


一人が帰って、夜はふけた。


僕ともう一人の友達が一つの部屋で寝て、隣の部屋でエツコと絵柄が寝た。


すると、すぐ、イチャイチャする声が聞こえて来た。


エツコ『もう!友達来てるのに、やめてーな!』

絵柄『ええやろ?なぁ?』

エツコ『あかんて!』


僕と友達は顔を見合わせ、変な顔をしあった。友達の顔の眉毛は、への字だった。


僕はその時、友達の眉毛を見ながら思った。
絶対、なさってる方やわ!と。


そのあとのエツコたちの行為は想像に任せるが、僕らは朝早く帰った。


朝、早く帰りたかったのだ。




みんなも、一度はこんな経験がある?サイレントすき焼きをした事のある方は、あおやまで感想をどうぞ♫


では、どうか良い午後を☆



嵐山あおや