中学の同級生のエツコが、泊まりに来いと言ったからだ。
エツコは中学の時からヤンチャで、隣町の宇治市の中学から転校してきた不良だった。
僕らは原付バイクでエツコのマンションに着いた。大きなマンションだった。
今夜はすき焼きをすると言うエツコに、僕らはそれぞれ買い出しに出かけた。
さて、すき焼きを始めようとすると、『ただいまー!』と、おっさんの声。
友達A『誰や?』
エツコ『彼氏や!』
僕『か、彼氏?』
彼氏と呼ばれるおっさんが入って来た。体はデカくて、目がするどく、頭はヤバイほうの角刈りだった。
僕は一瞬で、思った。
『なさってる方やろな?』
その男性は隣の部屋で服を着替えていたが、背中に絵柄が書いてあった。
僕とは違う背中だった。
その時、思った。
やっぱり、なさってる方やろな、と。
僕らは妙な5人で、すき焼きを始めた。が、絵柄を見てから、友達も無口になった。
サイレントすき焼きだ。
おもむろに絵柄が、
『お前ら、エツコとどういう関係やってん?』
初対面で、お前ら?
しかも、すき焼きしながら?
友達B『と、友達です!』
エツコ『あんた、なんでそんな事、聞くんやな?』
もう、エツコの言い方が岩下志麻にしか聞こえない。
なんとか、すき焼きを終えた時、友達一人が、
『俺、やっぱり帰るわ!』
と言い出した。僕は思った。
気持ちは分かるが、帰るな!と。
一人が帰って、夜はふけた。
僕ともう一人の友達が一つの部屋で寝て、隣の部屋でエツコと絵柄が寝た。
すると、すぐ、イチャイチャする声が聞こえて来た。
エツコ『もう!友達来てるのに、やめてーな!』
絵柄『ええやろ?なぁ?』
エツコ『あかんて!』
僕と友達は顔を見合わせ、変な顔をしあった。友達の顔の眉毛は、への字だった。
僕はその時、友達の眉毛を見ながら思った。
絶対、なさってる方やわ!と。
そのあとのエツコたちの行為は想像に任せるが、僕らは朝早く帰った。
朝、早く帰りたかったのだ。
みんなも、一度はこんな経験がある?サイレントすき焼きをした事のある方は、あおやまで感想をどうぞ♫
では、どうか良い午後を☆
嵐山あおや