『嫁からの衝撃メール』 | 優勝

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天然と言われますが、人生楽しく、ちょっとアホでいい♪

昔、週刊SPA!てコラムを連載していましたー☆

とぼけたブログですが、よろしくお願いします♪

僕の同じ年に、京都は南区東九条に住む『しんちゃん』という友人がいる。


しんちゃんは昔、女子バレーボールを見ていたら『さおりん』にすごく色気を感じて、


バレーボールそっちのけで、ずっとさおりんを凝視していたという兵だ。





そのしんちゃんがある日の朝、家を出て車で2分走った時、メールが鳴った。


しんちゃんは新しいものを好まず、今でもガラケーを使う高倉健のような男だ。


しんちゃんはガラケーのメールをパカッと開けた。すると、こんな内容だった。


『旦那、今、出て行きよったわ。ほんまうっとうしいわ。保険入ってくるし、はよ死によったらええのに。』


しんちゃんの嫁からのメールだった。


しんちゃんは激怒した。すぐに車をUターンさせて、家に帰って嫁に問い詰めた。


しん『どういうことや!このメールは!?』

嫁『な、何がやな!ちょっとお姉ちゃんに愚痴っただけやん!』

しん『死んだらええのに、は……キツいやろ!』

嫁『みんな愚痴るで、それくらい。給料も安いし、まあ、けど冗談やん。

しん『給料安いし死ねか?……アホか!……』


しんちゃんは高倉健のように口下手な昭和の男だ。ガラケーをパカッと閉じた。


それから仕事に向かい、夕方、しんちゃんは僕の家に来た。


居酒屋でしんちゃんは僕にガラケーをパカッパカッさせながら、その話をした。


ゲコのしんちゃんはノンアルコールビールを飲みながら、何度も、

『酔えへん、酔えへんわ……』

と言った。僕は、

『そらノンアルやもん!』
とツッコムのをやめた。


一通り嫁の愚痴を話終わると、居酒屋を出て、しんちゃんは運転しながらドラッグストアに向かった。


そこでしんちゃんは、なぜか、ユンケルより強烈な一本2千800円する精力剤を飲んだ。


左手にガラケー、右手に精力剤だ。やはり昭和の沢田研二だ。


飲み終わるか終わらないかくらいに、しんちゃんは僕に、送るわ、と言った。


どこ行くの?と聞く僕に、しんちゃんは、旅に出るような高倉健のような顔で、

『ヘ○ス行ってくるわ♪』
と、帰って行った。


嫁に対しての、せめてものしんちゃんの抵抗だったのかもしれない。


2時間半後、珍しくしんちゃんからメールが届いた。


『良かったわ♪』とだけ書かれてあった。


そんな報告いらんし!



 
嵐山あおや