僕は昔からアホだった。
両手のバケツに水を入れて、持ったまま立たされた事は数えきれない。
が、今回のトイレの時は違う。
確かな理由は忘れたが、放課後、中路と言う男性教師に、
『先生はあおやが嫌いや!ええて言うまでトイレで立っとけ!』
と言われ、長い間立っていたのを覚えている。
僕がトイレで立っている時、
同級生たちが、
『何してんの?』
と声をかけてくれたのを忘れない。
また、小学2年の時は、女性教師にトイレに行かせてもらえず、おもらしをしたこともある。
終わりの会と言うのがあり、その時に、安村と言う教師に、
『トイレに行かせて下さい!』
と2回申し出たが、行かせてもらえなかった。
最後は、つまんでいたのを覚えているが、もう我慢も限界を超え、放出してしまった。
学校のジャージを借りて帰る、帰り道に、一つ年下のフミヨちゃんに、
『あおや、今日おしっこ、こいたらしいやん!キャハハハハッ……』
と、声をかけられた。
今になって思う。
先生、トイレは行かせて、と。
僕は子供の頃、空気も読めなかったし、人をバカにしたような笑いに走っていたかもしれない。
目立ちたがり屋で、変な子供だったでしょう。
けど先生はやっぱり先生で、僕はと言えば、おバカな子供だったんだから、もう少し大きな気持ちで面倒見てあげてよ。
似たような子供たちに、同じ思いはさせたくない、そう思った。
嵐山あおや